ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 兵庫 > 記事です。

兵庫

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

市立芦屋病院:独法化、反対多数で否決 建て替えに根強い反発、市長断念 /兵庫

 芦屋市立芦屋病院(同市朝日ケ丘町)の独立行政法人化問題で、同市議会本会議は19日、市が再提案していた独法化関連の定款案を反対多数で再び、否決した。反対した議員らは前回同様、市が独法化とセットで計画する病棟建て替え案を批判。本会議閉会後、山中健市長は「議会決定を受け入れるしかない」と述べ、独法化を事実上断念し、公立病院のまま運営を継続する意向を示した。【生野由佳】

 この日の議決結果は9月議会同様、反対11人、賛成9人だった。

 市立病院は1952年開設。12の診療科があり、医師23人を含む171人の職員が働く。しかし、周辺に医療機関が増えたことや医師不足などから患者数が減少。271ある病床は、実働178床で、累積赤字は64億円(07年度決算)に達している。このため、市は昨年10月、老朽化が進む病棟建て替えと独法化移行の方針を決定した。

 市側は「独法化で給与体系に能力給を加えるなど弾力性を持たせられる。優秀な人材確保が患者の増加、サービスの向上につながる」などと説明したが、反対した市議らは、建て替え計画に対し「巨額の費用がかかる」「病院の利便性が低い。移転して建て替えるべき」などと反発。定款案は9月議会で否決された。

 このため、市側は12月議会に向け「建て替えによって医療設備が整い、意欲ある医師の確保もできる。移転は(用地確保などの点で)現実的な話ではない」などと説得に努めたが、反対する市議らの間では「採算が取れる見通しがなく、赤字額が増えるだけ」との批判が根強かった。

 市は病院再建計画の見直しを迫られることになる。山中市長は「大変残念だが、市民サービスに影響が出ないように再検討するしかない」と話した。

〔阪神版〕

毎日新聞 2008年12月20日 地方版

兵庫 アーカイブ一覧

 
郷土料理百選
みんなで決めよう!08年重大ニュース

特集企画

おすすめ情報