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見本市会場で、香川県のブースに注目する海外バイヤーらに県産品をPRする参加企業=フランス・パリ
香川県が国内の自治体として初めて単独ブースを設けた世界最大規模の食の見本市「SIAL2008」(フランス・パリ)がこのほど終了した。参加した県内9企業と欧州をはじめ中東、アフリカ、アジアなど世界中から集まったバイヤーとの契約成立や成約見込みは約30件に上り、新たな海外市場開拓に大きな成果を得た。
海外の日本食ブームを商機ととらえ、県は中小企業の海外進出を支援する目的で単独ブースを開設。県内から麺[めん]や醤油[しょうゆ]、日本酒のメーカーなどが参加した。
県産業政策課のまとめでは、名刺交換約500件、見積もり依頼は約100件で、実際に成約できたケースや詰めの商談に至ったのは約30件あった。
参加企業の反応も上々だ。丸島醤油(小豆島町)は、パリの三つ星レストランに有機醤油の納入が決まった。「納入量は多くないが、格式あるレストランとの取引は、今後の販路拡大にもつながる」と手応えを示す。
うどんの館大庄屋(琴平町)は、フランスのほか、トルコやイスラエル、エジプトの富裕層向けレストランの卸業者などから引き合いが相次ぎ、数十社から見積もり依頼があった。商談はこれからだが「本格的な讃岐うどんを広めたい。十分チャンスはある」と話す。
このほか、日本工場の見学申し出や出店のオファーも多数あり、参加企業からは「日本食がこれほど受けるとは思わなかった」「今後もこうした形の県の支援が必要」などの声が上がった。
県は今回の出展の際、フランス入りを前に商社を招いた目利き商談会も実施。欧州諸国などで受け入れられる商品についてアドバイスをもらい、参加企業にとっては成果を上げる要因になったようだ。同課は「海外で通用する県産品はまだまだある。今後も海外にルートを持たない事業者を、さまざまな形で支援していきたい」としている。