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「病院長公募」肩すかし…決まってみれば副院長が昇格
奈良県が、都道府県立病院としては全国で初めて公募した県立奈良病院(奈良市)の病院長が19日、同病院副院長の川口正一郎・救命救急センター所長(53)に決まった。「内部昇格では期待できない改革を」と意気込んで実施した公募には、県外の民間病院医師も含めて3人の応募があったが、結果は“内部昇格”と同様に。県は「内部昇格のみに限られていた従来制度に風穴を開けた意味は大きい」と成果を強調するが、肩すかしとなった格好だ。
県は県立病院の経営状況が悪化傾向にあるため、同病院長が来年3月で退任するのに伴い、採用時の年齢が50〜60歳で、25年以上の臨床経験をもつ医師免許取得者を条件に、後任の病院長公募に踏み切った。
その結果、川口副院長以外に、県外の民間病院からも医師2人の応募があった。県は公募に際して、事前に「決して内部職員の公募を否定するものではない」としていたものの、「内部昇格の人材では思いつかない斬新な発想を」とも期待。最終的には、同病院の“ナンバー2”にあたる副院長が後継者に落ち着いた。
事実上の内部昇格に終わった結果について、県人事課は「結果だけをみればそうだが、あくまで公募を経たうえでの審査の結果」と強調。選考理由については「面接などを通して、高度医療や病院経営改革などに意欲を感じたため」と説明している。