「誤診が原因で死亡」くも膜下出血なのに急性アル中

 宮城県大和町の公立黒川病院がくも膜下出血を急性アルコール中毒と誤診したため夫=当時(47)=が死亡したと、仙台市泉区の妻ら遺族3人が19日、病院を運営する社団法人地域医療振興協会(東京)に計約8550万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。

 訴えによると、夫は今年1月31日夜、宮城県富谷町の飲食店で、妻や会社の同僚らとジョッキ2杯のビールと焼酎1杯を飲み、店で急に意識を失って公立黒川病院に運ばれた。毎晩の飲酒量とほぼ同じだったが、同病院の医師は急性アルコール中毒と診断した。

 ふだんと様子が違うことを不審に思った同僚らの求めで、医師はコンピューター断層撮影(CT)で検査したが、画像から別の病因を判読しなかった。翌2月1日未明、夫の呼吸が停止し、転院搬送された宮城野区の病院でのCT検査でくも膜下出血と診断された。夫は6日後に死亡した。

 遺族側は「くも膜下出血が疑われる状況だったのに、医師は急性アルコール中毒と誤診し、CT検査でも見落とした過失がある」と主張。黒川病院は「訴状を見ておらず、現段階ではコメントできない」と話している。
2008年12月20日土曜日

宮城

社会



河北新報携帯サイト

QRコード

東北のニュースが携帯でも読める。楽天・東北のスポーツ情報も満載。

≫詳しくはこちら

http://jyoho.kahoku.co.jp/mb/