信販大手のオリエントコーポレーションが、私立大学の医・歯学部の学生向けに無担保で最大2000万円を融資する学費ローン商品を開発した。国立や他学部に比べて学費負担が重い私大の医・歯学部は、一般家庭の学生があきらめがちだが、高収入が期待できる医師・歯科医の「出世払い」を“担保”とする考えだ。
オリコの学費ローンの実質年率は固定金利型で年4・8%以上。合格証明書や在学証明書などを添付した上で、電子メールや郵送で申し込めるため、来店が不要。1000万円までなら、在学中は利息だけの支払いも可能という。融資は学費として直接大学に振り込まれる仕組みで、神奈川歯科大学(神奈川県横須賀市)が来年2月から導入することを決めたほか、現在5大学と協議している。
私立大の医・歯学部の卒業までの学費は2000万~6000万円。ほかにも寄付金などがかかるケースも多く、日本学生支援機構(旧日本育英会)や各大学独自の奨学金制度だけでは不十分なのが現状だ。学費の安い国公立大は募集人数が少ないため、金銭的な理由で医師への道をあきらめる学生も少なくない。みずほ銀行や三井住友銀行など1000万円以上の教育ローンを設定している大手銀行もあるが不動産などの担保が必要だ。【小倉祥徳】
毎日新聞 2008年12月20日 東京朝刊