黒石市の国保黒石病院で生まれた長男が脳性まひになったのは医師が適切な処置をしなかったためとして、同市の両親らが設置者の同市と担当医を相手に約1億2800万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、同市が控訴していた仙台高裁秋田支部の和解勧告の受け入れを決め、19日に開かれた市議会12月定例会に和解勧告受け入れの議案を提出し、同意を得た。和解金は1億3千万円。
 長男は2003年8月24日に同病院で新生児仮死状態で出生した。弘前市内の病院に搬送されたが、硬膜下血腫と低酸素虚血性脳症による脳性まひと診断された。
 07年3月の青森地裁弘前支部の判決は、同病院が胎児の観察義務を怠った過失があるとして原告の請求をほぼ認めたが、同市側は同年4月に控訴した。
 同病院の村田有志院長は「病院としてもできるだけの対応をしたが、結果として患者に大きな苦痛を与え、おわび申し上げる」とコメントした。