二千円札を見なくなって久しい。確か二年半ぐらい前に沖縄を訪れた時、手にしたのが最後だ。今ではあることさえも忘れてしまいそうだ。
西暦二〇〇〇年のミレニアム(千年紀)と沖縄サミットの盛り上げを狙いに発行された。既に八年余がたつが、使用できない自動販売機や現金自動預払機(ATM)が多いため、流通が鈍い。日本銀行によると、〇七年度末の発行高は一億五千万枚で、千円札の二十四分の一、一万円札の四十七分の一にとどまっている。
図柄は、表が沖縄観光の定番である守礼門だけに、沖縄のイメージが強い。沖縄県では地元経済界が中心になった流通促進委員会が、利用を呼びかけるキャンペーンを展開しているという。
一方、裏面は源氏物語絵巻の「鈴虫」の場面と詞書(ことばがき)、それに作者の紫式部の絵である。今年は世に出て千年という源氏物語がブームになっている。
そこで二千円札をアピールしようと、源氏物語のおひざ元・京都では、日銀京都支店見学ツアーや、二千円札一枚から参加できる源氏物語ゆかりの地を訪ねる日帰りバスツアーなどが行われている。
年末年始、お年玉用などに新札を求める人も多いだろう。源氏ブームにあやかって、二千円札で贈ってみてはどうだろう。久々に二千円札の出番になるかもしれない。