2007年01月21日

キッチンの憂鬱・・・換気扇を掃除しようっ!

レンジフード◆キッチンの憂鬱・・・換気扇!!
キッチンで、見てみぬふりをしたくなるところのひとつが換気扇!
なんでべたべた汚れがでちゃうんだろう?
シンクやグリルの掃除だけでいっぱいいっぱいなのに
頭上の換気扇まで手は回らないよっ!

でも汚れの本質を理解すれば、憂鬱は減るはず!
華麗にお掃除しましょーーー!!

◆なぜ油が換気扇につくの?⇒調理時の水分のせいなんです
 汚れの主成分は、酸化した油なのよね。
 そもそも、そう簡単に沸騰しない油がなぜ、
 頭上の換気扇につくのか、というと
 調理のときの水分が沸騰するときに
 一緒に微小な液滴(蒸気)になるからなんだ(「共沸」っていいます)
 天ぷらがサクサクに揚がるのは、
 「共沸」で水分が蒸発するから。
 天ぷら鍋やフライパンでジュージュー音がするのは
 「共沸」している証拠。


◆なぜ油がべたべたしてるの?⇒酸化によるもので、ヘルシーな油ほどべたべたしやすいんだ
 植物油には、酸素や水素を取り込む部位があって、
 人工的に水素を取り込ませた場合(「水添」っていいます)は
 マーガリンになるし、
 酸素が取り込まれるとべたつきを増して固形化、
 褐色に着色。これは温度が高いほうが早く進むんだ。

 つまり、「共沸」で蒸気となった水分と油分は、
 レンジフードのどこかで冷やされて、結露して液滴に戻る。
 水分は乾燥するけど、油分は乾燥しないから換気扇に残る。
 そして、空気に接触するから、
 空気中の酸素が取り込まれて(酸化して)汚れとなるわけ。
 そして、「健康的」と呼ばれる油
 (オレイン酸、リノール酸を強調してるような、、)ほど、
 酸化しやすい部位を多く持ってる(べたべた汚れになりやすい!)


◆換気扇、レンジフードは一般家庭でもっともメカニカルなところ・・・そして排気機能優先で洗浄方法は考えられていないところ
 気体を室外に排出するということで、
 モーターがあるし、非使用時は蓋がしまるし
 複雑なファンはあるし、とてもメカニカルなところ。
 そのなかに水分、油分を含んだ空気が流れるんだから、
 よく考えたら掃除は大変なことなのよね。
 でも・・・掃除方法についてはあまり考えられてない
 (としか思えない)。
 トイレや排水口など、液体が流れる場所は、
 洗浄液というものを通す洗浄方法があるんだけど、
 どうしても、気体が通る場所というものを
 気体でキレイにする方法(洗浄ガス?)というのは、
 現在の科学技術では確立されてない。


◆換気扇フィルターの疑問
 換気扇(レンジフード)に取り付けるフィルタ、というものもあるよね。
 綿のような素材(不織布)のようなもの。
 あれはちょっと注意点が。というのもフィルタをつけると
 排気量、速度が落ち、発生量に追いつかず、
 蒸気が行き場を失ってキッチンに充満する場合があるから。
 フィルターをつけて、確かに
 換気扇の汚れが減ってる場合が多いけど、
 換気扇が汚れない分、
 室内の天井、電灯、ガラス、カーテンが汚れてることも。
 むしろ強い気流を発生させ、べたつく隙を与えず
 一気に屋外に排出するほうがいいような気もするんだ。
 もともと、金属の板がついてると思うけど、あれは、
 蒸気を空冷することで結露させて除去する機能があるんだよね。
 そして、空気の流れを整える機能があったりする。
 お香などの煙をすわせて、空気の流れを確認すると判りやすいよ!


◆換気扇メーカーはやる気がない!
 でも洗剤メーカーやお掃除会社はここぞとばかりに・・・
 お掃除の方法が書いてるかどうか、以下の基準で並べたよ♪
   記載なし ×
   なんとなく △(当たり前のことだけ)
   一般的に ○
   詳しい! ◎

 換気扇メーカーはこんなかんじ。
 日立(×)松下(×)東芝キャリア(×)富士工業(×)三菱(×)

 たとえばシステムキッチンのメーカーは、こんなかんじ。
 クリナップ イキイキ生活百科(△)
 サンウェーブ レクア かんたんお手入れ(○)
 タカラスタンダード お手入れマニュアル(◎)
 TOTO水彩プラザ お掃除のコツ(◎)

 洗剤メーカーはこんなかんじ。
 花王(○)、ライオン(◎)、ライオン(大そうじ編)(◎)

 おそうじ会社はこんなかんじ。
 ダスキン(一般家庭でできるお掃除方法紹介)(○)
 ダスキン(プロのおそうじ)(◎掃除の流れが判ります)
 おそうじ専科(◎掃除の流れが判ります)
   (注:汚れのリアルな画像が・・・
   埼玉の会社で、対決ダスキン、のようなかんじです。
   実際、埼玉ではダスキンは撤退してる模様・・・)
 クロネコヤマトの暮らしのコンビニ プロのおそうじ(◎
   掃除の流れが判ります)

 フィルター会社はこんなかんじ。
 ダスキンキッチンフィルター
 松本伊代さんの換気扇フィルター(マジックタッチ)
 通販生活(金属製:親水性塗装フィルタ)


◆酸化油を化学的に除去する3つの方法!
 油、酸化油をを除去する方法は3通り。
 1)アルカリで分解する・・・
   せっけんに変化して水に溶けるようになります
   アルカリとしては、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)、
   炭酸水素ナトリウム(重炭酸ソーダ:重曹)、
   炭酸ナトリウムが一般的。
   重曹や炭酸ナトリウムは苛性ソーダより弱いけど、
   粉末で扱いやすいから、かも。
   酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムなど)もあるけど、
   あれも漂白作用&アルカリ性なんだよね。
   ただし、油汚れの成分は、塗装成分に近くなってるので、
   塗装もいっしょにはげることがあるんだ。
   外装部分や、最近の防汚処理されたものの場合には注意。
   レンジフードの中の見えないところは、たいてい、
   ステンレスか鋼板だから大丈夫だと思うけど。
 2)溶剤で溶解させる・・・
   溶剤に一工夫!ふき取ることができるようになります
   石油系のものから、最近はリモネン(柑橘類由来)、
   テルペン(木材由来)のものがふえてる。身近なものでは、
   サラダオイルなんかもOK。似たものどうしはよく溶けるんだ。
 3)洗剤(界面活性剤)で乳化分散させる・・・
   水となじむようになります
   界面活性剤そのものは、油を分解する力はないけど。

 市販の洗剤はこれらの組み合わせ。
 プロが使う薬品は、これらの濃度が、市販品よりも高いもの!


◆酸化油を物理的に除去する3つの方法!
 1)かきとる・・・多量にたまったものは、
   プラスチック製スクレイパーなどのヘラでかきとる。
   取っ手のしっかりしたものがあれば便利。
   使用済みテレホンカードなどを使うといい、という話も多いね。
 2)高温で粘度を下げる・・・高温スチームなどで、移動させます
   ジェットクリーナーなどは、温度を上げるだけなので、
   ふき取りや洗剤との併用が必要。
 3)ふきとる・・・粘度が高いものは×。
   洗剤成分でなじませてからふき取り。
   

◆換気扇汚れに負けない!
 1)華麗に、リーズナブルに!
 不慣れな汚れに精神的に参っちゃうのが×。
 手袋は使い捨てのものを。
 洗剤をスプレーするときは使い捨てマスクを。
 分解して、楽な姿勢で、楽な方法で掃除!

 2)できるだけ換気扇を分解する
 人が作ったものは分解できるのです!
 精密機械と違って、そんなに分解しても怒られません!
 背の高い人(旦那様!)にやってもらいましょう!
 分解するときには戻せるように写真を撮るのがいいよ。
 部品は分解して、できるだけ広い場所で、
 丸洗いする方針でね!

 3)汚れを見ても驚かないっ!
 汚れは、正体不明の不気味な液体ではありません!
 不飽和脂肪酸グリセリンエステルと、その酸化物です!
 黒いものほど、酸化が進んで化学的には安定になったもの!

 4)汚れは化学的に分解させる!
 腕力、握力を使う前に、化学の力で。
 洗浄液に浸す方法では、わけ隔てなく隙間に入り込んでくれます!
 温度が高いほうが有利。
 よく紹介されている、シンクに蓋をしてビニール袋を広げて漬ける、
 のはいまいちおすすめできません・・・
 (簡単に袋は破けるし、シンクに傷がつくし、シンクは使えないし、
  とりきれない汚れで悲惨になるので)
 お勧めは、魚屋さんにあるような、大きな発泡スチロールの箱。
 あれにお湯で洗剤を溶かすと、数時間は温度が保たれます。
 なければ、できるだけ大きなバケツを用意。

 5)こだわりすぎない!
 掃除に苦戦してると、
 「そもそも、なんで掃除しなくちゃいけないの」って
 わけがわかんなくなってくるよね・・・!
 掃除の最大の目的は、換気機能の低下を抑えること!
 換気機能が低下すると、
 こんどはキッチン全体がレンジフード状態になっちゃうから!
 カーテンや服がフィルタになっちゃうよ!
 換気扇は、自らを犠牲に部屋をきれいにする汚れ役!
 「シロッコファンの、さらに奥はどうなってるの・・・」
 という恐怖もあるけど、それは将来交換することもできるから。
 (アルミホイルや軽い金属でできた、筒なんです)
 汚れが残るのが許せない気持ちはわかるけど、
 疲れないのを最優先にね!
 

◆掃除方法のまとめ。  
※シロッコファンとは、ハムスターがくるくる走るような形のファンです
  扇風機型も同じ方法。
  1)金属フィルターははずして洗浄液バケツの中へ。
    ただし、親水性塗装のフィルターはアルカリ液で
    はげるので注意!
  2)フードの外側カバー(天井までつながってる部分)も外す。
    ただし、
    スイッチ用のケーブルがソケットを介してでつながってるから
    そのソケットも外す。
    フードのカバーは広げた新聞紙の上に。
    広いところ、できれば屋外で洗剤をスプレーして洗浄。
  3)シロッコファンのカバーの蝶ねじをはずして、
    洗浄液バケツの中へ。
  4)ファンが入っていた丸いケースは外れないので、中の汚れを
     スクレイパーでかきとった後、洗剤をスプレーして洗浄。

 上記の”◎”印のあるリンクを参照してみてね。


◆掃除の頻度は?
 そもそも、日ごろの掃除が難しいのよね。
 形状が複雑だから。
 掃除しすぎることで、傷ついちゃう場合もあるし。
 使用頻度にもよるけど、
 時間がたつほど、汚れが蓄積するし、
 べたつきが増すから、1ヶ月に1回くらい、がいいみたい。
 外側の広範囲なところは、1週間に1回くらい、中性洗剤で
 水拭きするのがいいみたいね。
 

【結論?】
 諸悪の根源は、設計思想にあり!
 あたしの経験からすると
 「機械屋さん」は、ど〜も
 機械が正しく安全に動きさえすれば、
 汚れ掃除のことは考えない傾向があるから、、、
 もちろん、電気、回転・・・とくれば、
 漏電、火災、感電、怪我・・・などの危険が。
 これらの危険を防止するのが一番大事。

 でも・・・大事なんだけどさ、、、
 ずべてが簡単に取り外せて、
 洗浄液で1時間!なんてことができればいいのに!

 これからの改良に期待したいよね!



codran at 07:40コメント(0)トラックバック(0)  この記事をクリップ!
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こどらん
わからないことを調査、いろいろ考察しています♪
某会社で研究開発を担当。
記事が長くなるのがちょっと悩み。
(ごめんなさい)
千葉在住、神戸出身。
調査対象は特に決まってないのだけど
職業柄、いろんなことが気になって・・・
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