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佐藤、2階級制覇で「盛り上げる」
パワーアップで無敗の王者切り崩す
2004年3月6日
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6月のボクシング世界戦でそれぞれ王者に挑戦する佐藤修(左)と坂田健史【スポーツナビ】
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佐藤修が、2階級制覇で日本ボクシング界を盛り上げる! 2カ月の筋力強化でパワーアップに成功した佐藤は「6月4日は勝負。勝ちに行く」と決意を表明した。協栄ボクシングジムは10日、世界ボクシング協会(WBA)のダブルタイトル戦(6月4日、有明コロシアム)開催を正式に発表。フェザー級で佐藤がクリス・ジョン(インドネシア)に、フライ級で坂田健史がロレンソ・パーラ(ベネズエラ)に挑戦する。元WBA世界スーパーバンタム級王者の佐藤は、勝てば日本選手史上6人目の2階級制覇。一方、前日本フライ級王者の坂田は今回が初の世界挑戦となる。6日に行われた3大世界戦では日本人選手が全敗。低迷ムードが漂う日本ボクシング界だが、佐藤は「盛り上げられるような試合をしたい」と巻き返しに意気込んだ。
2カ月の筋力トレーニングでパワーアップ
2002年10月にサリム・メジクンヌ(フランス)に敗れてスーパーバンタム級の王座から陥落した佐藤は、03年1月に現役続行を正式表明すると共にフェザー級に転向。相手に力負けしないよう、少しずつ体を作り直してきた。同年7月の復帰戦ではいきなり元世界王者のヨックタイ・シスオーと対戦し結果はドローだったが、12月の復帰2戦目では韓国フェザー級2位の朴大京(韓国)を2RKOで下して快勝。その後2カ月は、サンドバッグを目一杯打ち続けるなどパワーアップを目的としたトレーニングを積んできた。友人たちから「上半身が大きくなった?」と言われ、着ている服もきつくなるなど、効果が現れ始め、パンチ力のアップにも手ごたえを感じている。
フェザー級転向は佐藤を減量苦から解放したが、対戦相手の体格は確実に大きくなる。大竹重幸トレーナーによれば、以前は長身選手に苦手意識を持っていたことがあるという。しかし、今回は早い段階からターゲットをジョン一本に絞っており、前戦の相手に体格の良い朴を選んだのも、ジョン戦を意識してのマッチメークだった。さらに、1月後半から開始したスパーリングでも長身選手や1〜2階級上の選手をパートナーに選ぶなど、対策は万全だ。
凌ぎあいから左ボディで攻略
ジョンの印象について、大竹トレーナーは「足も使うけど左ジャブ、ワンツー、入ってきたところにフックとオーソドックスな正統派」と分析し「無敗ですからね、そりゃあ強いですよ」と評価する。佐藤も「スピード、パワーがあってバランスがいい。ファイタースタイルで突っ込んでも空回りさせられてしまうから、その場その場で対応していかないといけない。ズルズルとペースに引き込まれないように注意したい」と警戒を強めている。だが、大竹トレーナーは「佐藤と似たタイプで、互いにかみ合う。倒すか倒されるか。左ボディが鍵? そう、ボディ打ちはこっちが上。的確に対応しながら、時折強いのを入れて攻略したいですね」と世界でもトップレベルのボディ打ちをポイントに挙げた。佐藤も「試合までに強弱のあるパンチを磨きたい」とパンチの打ち分けを課題に練習を行っている。
2年前の経験生かす
朴戦のKO勝ちで「吹っ切れた部分もある」と調子を上げている佐藤は、今回が4度目の世界戦となるが「新しい緊張感があり、身が引き締まる」と気合いを入れ直している。2年前、今回と同じ会場・有明コロシアムで世界初挑戦に臨んだ佐藤は、当時の王者ウィリー・ホーリンを追い詰めながらドローでベルトを逃がす苦い経験をした。タイトル奪取の難しさを知っていることから、挑戦者という立場で一層モチベーションを高めている。
そうは言っても、時には息抜きも必要。10年来のファンであるWWEのDVDを鑑賞したり、ダウンタウンのお笑い番組を見てリラックスする。4月からは好例のハワイキャンプで地獄の走り込みを行い、帰国後はいよいよ最終調整に入る。日ごとに緊張は増していくが「最後までやり抜く覚悟」と“志固精進”で2本目のベルトを狙う。初戴冠の時も相手は無敗の王者だったが、見事な逆転勝利を収めた。今回も、最後まで諦めないファイティングスピリットでインドネシアの英雄を競り落とす。
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