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2008年07月29日
~学と~論の違い(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
社長の上村と同行営業する時などに、時々頭の体操をする。今日のお題は、「~学と~論の違い」であった。
ALBERTの入社試験には、何と何の違いを述べよという設問がたくさんかある。例えば、「ざるそば」と「もりそば」の違いとか、「宅配便」と「宅急便」の違い、「預金」と「貯金」の違いなどである。このあたりは、私の世代では常識的に知識として持っている人が多く、いったいいつ誰に教わったかも記憶にない。以前は虹の7色を答えよというものもあった。答えは「赤橙黄緑青藍紫」なのだが、後に松田聖子ファンであれば答えられてしまう事が分かり削除した記憶がある。このあたりもなぜか知識として持っている。
違いを述べる設問は、使われている事例を数多く挙げる事で答えを導ける事が多い。それにはもちろん、それなりの知識や教養やクリエイティブが必要だ。ただ、「ざるそば」と「もりそば」などについては、いくら事例を挙げてもその違いが分かりにくい言葉だ。「ざるそば」とは言うが「もりそば」とは言わないという場面にあまり遭遇しないからだ。それに対し、「預金」と「貯金」の違いなどは、「銀行預金」と言うが、「銀行貯金」とは言わないなあとか、「郵便貯金」と言うが「郵便預金」とは言わないなとか、つらつら思い浮かべているうちに答えが出たりする。(しかしこれらの正答率の低さには驚く・・・)
「愛」と「恋」の違いという設問もある。よく、「恋は異性間でしか使わないが、愛は同性でも使う」と答える人がいるが、あまり正しくない。「故郷を恋する」と言うし、愛はもちろん動物に対してでも使うからだ。では、「愛は永遠、恋ははかない」という答えはどうだろうか。これも間違ってはいないし、よい答えではあるが、言葉の定義というのはある程度の可逆性が要求されると思う。愛は永遠かもしれないが、永遠なら愛かと言えばそうではないし、はかないから恋とも言えず、あまり説明にはなっていない。TDK時代の上司の吉野さんが、「英雄色好むと言うが色を好むから英雄とは言わないんだ」と、とある人の批評をしていたが、まさにそういう事である。
このあたりは、実は論理学で言うところの対偶.(命題「AならばB」に対する「BでないならAでない」という命題)に関連しており、ロジカルシンキングにも欠かせない考え方なのだ。そういう意味で、冒頭の頭の体操は、知識も必要だし、お互いがクリエイティブでありロジカルであり、かつコミュニケーション能力ないと楽しめない。(ま、上村君は一つも楽しくないのかもしれないが・・・)
さて話を戻すと、「~学と~論」の違いは比較的感覚的に分かりやすいのではないかと思う。何となく~学のほうが、よりアカデミックで高尚な香りがするのではなかろうか。事例で考えて見よう。「経済学」と言うが「経済論」とはあまり言わない。しかし、「アジア経済論」とか「農業経済論」とか、分野を限定すると「経済論」もよく使われる。「ピーター・ドラッガーのイノベーション論」と言うが、「ピーター・ドラッガーのイノベーション学」とは言わない。これもある程度論者が限定されているからだろう。
そこで、いくつか調べてみたら比較的分かりやすい説明があったので紹介しよう。
「学」
対象が普遍性を持っている、ある歴史的経過を経ている、その中で研究の積み上げによる論理の構築がしっかりと行なわれている、その構築の構成要素となるものがふつう各論として展開される、といった条件を備えている
「論」
学と呼ばれるほど高い普遍性は持たないけれども、対象に関して「学」に要請されるのと同じくらい厳密な検証や論証を経て、構築される内容を有するものに与えられる名称
(藤川正信 ”図書館情報学の中心課題:記号,情報,人間” Journal of Library and Information Science,Vol.10.73項より引用)
つまり、学問を構成する要素として「論」があり、分類、整理、体系化すると「学」に昇華するのだ。学問(Science)と論・研究(Study)と言われたりする事からも理解しやすいと思う。
(独り言)そう言えば、8月6日は職能テストの日だった・・・・。
2008年07月25日
監査法人(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
「公認会計士は常に品位を保持し、その知識技能の習得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなくてはならない。」(公認会計士法第一章 第一条の二)
これは先日までNHK土曜ドラマ「監査法人」の最終回の冒頭に紹介された一節である。このホームページによると、
【「監査法人」とは…】
公認会計士のグループで、企業が作成した財務諸表の真偽を監査し、決算書を承認するか否かを判断する。監査法人が「不適正」と言えば、その企業は上場廃止に追い込まれ、倒産することもある。全ての上場企業は監査法人による監査を受けなければならず、現在は4つの大手監査法人が、日本の大企業の監査のほとんどを請け負っている。
という事だ。私はマルマン時代に初めて「監査」という行為を実体験した。突然(私にとっては)見知らぬ怪しげな男達が数日間にわたり会議室を占拠し、経理部門などから大量の書類が持ち込まれ、ドアには「監査中」の貼り紙が・・・。夜は施錠され入室禁止。いったい監査って、何をやっているのだろうと思っていた。
その後、インタースコープを創業する時に、エムアンドシーと平石さんのクリードエグゼキュートの2つの事業をどのように合体させるかで、中央青山監査法人のとある方に手弁当でお世話になった。1999年の事である。かなりの著名な方で、IT系に非常に強かったので頼りにしていた。その後、両社から営業譲渡という形をとって、インタースコープを立ち上げたのだが、そのごしばらく同監査法人にお世話になった。
現在おつき合いしている監査法人の方とは、かなりいい関係であり、何でも相談している。あのドラマは何年か前のとある監査法人がモデルらしいが、私から見れば面白い内容だが現実離れしているなという感想だ。しかし、これだけ監査というものが世の中で注目されているのだから、あながち外れた内容ではないのだろう。それにしても、経営者のふがいなさというか、クレディビリティのなさに、子供達が会社の経営者というのはニュースで頭を下げて謝る人と言うのも無理もないかと思う。
ALBERTは、超透明経営を目指しているし、監査法人の方とは若干の方針の違いで議論をする事もあるかもしれないが、基本的にはよき相談相手であり、ALBERTの「適性さ」を証券会社や市場に代弁していただける有り難い応援団だと思っている。
2008年07月24日
岩手県地震お見舞い(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
昨晩、盛岡での学会発表やぴょんぴょん舎の冷麺のブログを書いた直後に地震があった。残業で遅くまで仕事をしていたメディア事業部の菅由紀子さんと田村啓暁君と3人で、「だんだん揺れが強くなるね」と話しながらテレビをつけると、岩手で震度6強という報道。震度6強と言えば、かなりの大きさ。今朝のニュースによれば予想されたよりは被害が少なかったようだが、八戸には当社の株主であるヤフーバリューインサイトのオペレーションセンターもあるし、元インタースコープで先日大量のさくらんぼを送ってくれた下井田さんも青森なので心配だ。被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。
2008年07月23日
感性工学会@岩手で発表(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
先週は、技術立社セミナーのパネルディスカッションに参加した後、盛岡に行った。目的は「感性工学会第22回あいまいと感性ワークショップ」にて、「ファジィスペックサーチ」に関しての発表。「ファジィスペックサーチ」とは、商品の類似性やスペック数値の距離感に着目した全く新しいアルゴリズムを搭載し、従来の絞り込み検索で「該当しない」という結果が出る欠点を解消、ファジィに類似商品を絞り込むことができるエンジン。スペックで定義できる商品やサービスであれば、ほぼすべてに適用することができる。特許を出願しているので、今回初めて少し踏み込んだアルゴリズムまで発表した。
学会が開催されたのは、岩手県立大学。盛岡駅からバスで30分ほどなのだが、道中のバス停の名前をピックアップするだけでも、その景色が想像できると思う。「農業研究センター」、「岩手牧場」、「果樹研究所」、「森林総合研究所」、「岩大農場」などなど。とにかく緑も空気も綺麗だし、大学は牧場の様にのどかで美しかった。
バス亭の中で、「果樹研究所」にそそられた。「ふじ」などのりんごを、いかに寒冷地で育てるかの研究をしているそうで、りんご研究部という部署があり、りんご研究部長という人もいるそうである。時間があったら是非訪問してみたいと思った。
たまたま大学時代の同級生が岩手県庁にいるので、四半世紀ぶりに会った。彼は県庁の総合政策部政策調査監という立場にいる関係で、今置かれている地方の深刻な状況に憂い悩んでいた。地震と平泉の世界遺産登録延期で岩手はなお落ち込んでおり、風評被害で観光客も減少しているそうだ。
岩手県、盛岡名物三大麺と言えば、わんこそば、盛岡冷麺、じゃじゃ麺。 中でも盛岡冷麺で有名な「ぴょんぴょん舎」は全国区だそうだ。とにかく麺の腰が強く、キムチも旨い。社長は在日韓国人の辺(ぴょん)氏とのことで、銀座にもお店を出したそうだ。東京でも味わえるので、是非トライして欲しい。今後、インターネットを活用して岩手県や地方をいかに活性化するか、「地方の名物見つかる.jp」でも開設し、少しでもお手伝いができればいいなと思っている。
2008年07月18日
技術立社セミナー(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
昨日、日経産業新聞「技術立社セミナー」が大手町のJAホールで開催され、『技術革新を導く経営』と題したパネルディスカッションにパネリストとして参加した。1200名を超える応募があったそうで、400名の会場はほぼ満席状態で熱気を帯びていた。
冒頭にエーザイの内藤社長から「研究開発生産性の向上」に関しての基調講演があったのだが、非常に面白くかつ共感できる内容だった。詳細は7月31日付けの日経産業新聞で紹介されるとの事なので割愛するが、ピンマイクを使われ壇上を歩きながらのお話はとてもお上手で、時間もぴったり45分で終わられた。
休憩に続いて、 クラレ取締役・専務執行役員の蜷川洋一氏、安川電機 取締役の宮原範男氏とともに登壇したのだが、会場も暑かったと思うが、とにかく舞台はライティングでもっと暑い。水を飲み汗を拭きながらのディスカッションだった。内容としては、各社の紹介、技術開発戦略の話のあと、開発のマネージメント、製品化、人材活用と評価、知財戦略、M&Aなど多岐に渡ったが、なんせ他の2社と比較するとALBERTは社員数も売上げも500分の1程度しかなく、社歴も30分の1くらいしかないので、なかなか同じ土俵で話をするのは難しかった。もし出席された方があれば感想など聞かせていただければと思う。詳細は広報ブログにもアップされる予定です。
2008年07月16日
ブレストはするな!!(上村崇)
posted by Takashi Uemura
今日は感動したのでちょっと過激な?タイトルで。
まず何に感動したかというと、先ほどまで元シーエー・モバイル、現在はインフィニティ・ベンチャーズLLPの小野 裕史さんと、弊社のモバイル戦略についてブレストさせていただいていたのだが、まさに脳みそに嵐が起こるように、アドレナリンでまくりの充実した内容だった。
小野さんといえば、シーエー・モバイル時代、何もないところからはじめ、累計の営業利益で数十億円の事業を作った伝説の人物である。こういう人がALBERTのモバイル戦略について一緒に考えてくれるのだからそれはそれは充実した2時間だった。
なぜそんな小野さんが僕なんかの相談に乗ってくれているの?と思われた方はこちらのプレスリリースをご参考
さて、タイトルと本文が合わないので軌道修正するが、山川もよくいっているのだが、僕はあまり「ブレスト」を好まない。
一般的に「ブレスト」は相手の意見を否定してはいけなくて、全てポジティブに発展させないといけない。(だからよいってことなんだろうけど。。)
でも「どうかんがえてもそれは違うでしょ?」という意見がポロポロと出てくる中で、「いいね!いいね!」といえるほど人間ができていないし、なんだかものすごく非効率な時間を過ごしてしまっているように感じて妙にストレスがたまるのだ。
ブレストは、考えているレベルが一致していて、且つある程度のことは共通認識として持っている関係でないと上手くいかないし、時間の無駄になる。
特にロジカルでない人が混ざっていたりすると、支離滅裂になってしまうこともある。
小野さんと僕、という関係であれば少なくとも僕側からは最高のブレストパートナーで、短時間でものすごいアウトプットを得たと思う。なんだか「見えてきた!」という気分。
小野さん側からはそうでもないかもしれませんが・・・
将来「あの日のブレストが今のALBERTの繁栄の第一歩だったね」といえるように、しっかりとビジネスにつなげていきたい。
2008年07月13日
本の読み方(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
インターネットで何でも情報を得る事ができるので、新聞も本も要らない。これは本当だろうか。私は2000年のインタースコープ創業以来、1日も欠かさず日経新聞(最近は日経産業新聞)を読み、スクラップをしている。もちろん、ネットではRSSなどを駆使して、最新のニュースを敏感にキャッチしようとアンテナを張っている。それでも新聞を毎日読むと、ネットでは拾い切れていない情報や、ノウハウ、特集などを見つける事が多く、止める訳にはいかない。
本も同様だ。体系立てて何かを学ぼうとすると、やはりインターネットでは無理だ。一つには情報の信頼性がある。大学ではWikipediaの引用は認めないという所があるが、当然だと思う。自分が最も詳しい分野について調べて見るとよく分かる。本についても、一人の著者から学ぶのは危険である。いつも同じテーマで3冊の本を読みなさいと言っている。これは、同じ事でも違う人が書くことで受け取り方が違いも分かるし、また表現の仕方が違うのでこちらの本では理解できなかった事が、こちらの本では理解できるという事もあるからだ。
最近はAmazonさんのお陰で、中古の本を簡単に購入できるので今月に入って20冊くらい購入した。色々な講演や学会、セミナーに先立ち、どうしても勉強する必要があるからだ。もちろん、これらの本を隅々まで読むことは時間的にできないし、中古で買う古い本には、今となってはほとんど読むに値しないものもあるので、それほど時間をかけなくても、一応目を通す事はできる。
それでも最近は、圧倒的に読書量が少なくなっていると実感する。マルマン創業者の片山豊社長は、2~3ヶ月に1回くらいブックセンターに行き、何十冊も本を買って来た。ほとんどが経営に関するビジネス書で、当時は「リエンジニアリング革命」とか「経営破壊」とか、あらゆる本を読み、そしてその中で社員に読ませるべき本を「社長推薦図書」として公開していた。読書感想文もよく書かされたものだが、これは非常に役に立った。
片山社長は当時70を超えており、目もあまりよくはなかった事もあり、本は読むのではなく「聴いて」いた。秘書が分厚い経営書をすべてマイクロカセットに録音するのだ。毎週のようにゴルフに行っていたが(遊びというよりは健康管理を兼ねたクラブの開発)、行き帰りの車の中でも、奥様が経営書を読んでいたそうである。以下は、奥様からのメールだが今でも思い出しては目頭が熱くなる。
「いつも、いつも私は本を読む役目で、片山社長は真剣に聞いていました。当時の経営書を何冊も何冊も読まされました。ゴルフ場へ行く車の中ででも「生まれ変わっても経営者になる」と、情熱的に夢を語っていました。」
朝、顔を洗うときも、移動の時も常に本を聴き続けていたという。時間を有効に使う事もすごいが、あれほどの会社を一代で築いた方でも、常に最新の経営書を読んでいたのだ。
ある時片山社長に、「社長、テープを聴くのなら電車でもどこでもできるので、僕にもそのテープを貸して下さい」と勇気を振り絞って頼んでみた。そうしたら社長はニコニコして、「いくらでも貸してやる。ただしお前には無理だ。」と言われた。そんな事はないだろうと、借りたテープを通勤途中で聴くことにした。しかし、いくら集中しようとしても、つい別の事を考えてしまい、頭に入らないのだ。推理小説ならともかく、さすがにドラッガーなどを聴いても全く駄目だった。
悔しいけれど、テープは全て社長に返却したが、またニコニコして「そうだろう。」と言われた。「本を聴くにも、かなりの訓練が必要なのだ。」と言われた。社長の推薦する本は、常に最新のものだったので、社長より先に読んでいる事はまずなかったのだが、唯一、TDK時代にODSにおられ、私の師匠でもある森行生さんの書かれた「ランチェスターを超えて」はよく知っていた。この本は、後に「シンプルマーケティング」とタイトルを変えたが、ALBERTでは必読書である。もしまだ読んでいない社員がいたらすぐに読んで欲しい。
本の読み方はそれぞれだと思うが、インターネットで情報がいくらでも得られる現代においても、やはり本はたくさん読んで欲しいし、それ以前に若い人にはもっと勉強をして欲しい。一般的に年上の人のほうが過去に読んだ本の数は多いだろうし、広い知識を持っていると思う人も多いと思うが、ビジネスにおいては実はそうでもない。役に立たない過去の知識など、ないほうがよいのである。情報の吸収力は年とともに衰退して行く。それに逆らって新しい情報を取り入れようとすると、若い人以上に勉強をしないと追いつかないのである。そう思って何十冊も本を買い込んでいるのであるから、若い人も最低月1冊くらいはビジネス書を読んで欲しいと思う。
2008年07月10日
協調フィルタリングは消費者が求めるレコメンド方法か?(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
9月3日から日本行動計量学会第36回大会が開催される。今年は2日のチュートリアルセミナーでリコメンデーションの理論と実際と題して講義を行なうほか、特別セッション「CSマーケティング」の中で、顧客満足度を上げる商品レコメンデーションに関しての発表を行なう予定だ。その抄録原稿の締め切りが、今日10日なので色々な調査結果の分析をしている。
その中で、様々なレコメンド方式に関して、消費者がどう感じているかを聞いている。私と社長の上村がインタースコープで開発した、「魅力品質とあたりまえ品質」質問を使った。その結果、極めて面白い結果が出ているので、少しだけ紹介したい。
消費者にとって、魅力的な商品レコメンドは、「ランキング」と「類似商品の提示」である事が分かった。一方、協調フィルタリング的な推薦方法は、認知度も高くあってあたりまえだが、魅力度も必需度もほぼ最下位だった。
この調査結果から読み取れるのは、消費者が本当に推薦して欲しいのは、どこにいる誰だか分からない自分に似た人が買っている商品である必要はどこにもなく、その商品に類似した商品や関連した商品を推薦して欲しいだけだという事だ。
レコメンデーションにおいて、類似度を定義することは非常に重要であるが、その類似度をコンテンツベース(モノベース)で定義するのか、人ベースで定義するかという選択に関して、結果的にどんな方法を取ったとしても、消費者が望んでいるレコメンデーションは、類似している商品に帰する。
ではなぜ協調フィルタリング=レコメンデーションの様に思われているのだろうか。これはamazonの功績が大きいが、モノベースの類似性より人ベースの類似性を定義するほうが楽だったからではないかと思う。また、今回の調査から、今後伸びる推薦方法が何かもわかった。
そのあたり、詳細は9月2日、3日に話をするつもりなので、今日はこの辺で終わりにしておく。
2008年07月09日
初!店頭接客システム導入!(上村崇)
posted by Takashi Uemura
これまでウェブサイト向けのレコメンドエンジンの導入は数多くリリースしてきましたが、今回初めて店頭の無人接客システムとして弊社のニーズに応える推薦エンジン「Bull's eye」が採用され、7月3日にサービスインしました!!【リリースはこちら】
タッチパネルで自分のニーズを入力すると、最適な携帯電話の端末を推薦してくれる仕組みです。
このシステムは大手携帯販売ショップのもしもん株式会社で現在試験導入中、今後関東60店舗に順次展開予定です。
弊社は経営理念で、「消費生活における意思決定の支援、悩み・迷いの解決」を掲げています。これはなにもPCから閲覧するウェブページだけの話でなく、今回のような店頭端末や、モバイルなどを駆使して、あらゆるシーンで消費者の支援をしたいと考えています。
創業時から店頭での支援システムをやりたいと考えていただけに、今回その第一弾がリリースしたことを非常にうれしく思っています。
店頭端末は無人で接客できるというメリットのほかにも、対面販売の支援ツールとしても活躍すると考えています。商品知識が追いつかないという悩みは消費者だけでなく、プロの販売員にも共通して言えることです。
この接客システムを使えば、商品知識のない店員でも、画面に従ってお客様のニーズを聞き出すだけで、敏腕営業マンと同じように最適な商品推薦ができます。
このシステムは家電量販店や金融商品の窓口販売、不動産物件や建売住宅の提案、車や化粧品の提案販売などへの展開を想定しています。
2008年07月06日
地球温暖化はロジカルに解決(山川義介)
posted by Yoshisuke Yamakawa
いよいよ洞爺湖サミットが始まる。もちろん焦点は地球温暖化問題の解決に向けて8カ国の首脳が目標を共有できるかだ。さて、この目標は、どのように決めるのだろうか。米国は数値目標設定に対して抵抗しているとも言われるが、私は「2050年までに半減」「1990年対比何%」という様な目標はいかがなものかと思う。これはロジカルに考えた時にあまり大きな意味、効果を感じないからだ。
先週、ALBERTは広報祭りだった。30日(月)の日経産業の1面カラーで取り上げられた『SUDACHI』搭載に始まり、1日(火)には「ITmedia 製品NAVI」に「ファジィスペックサーチ」「おまかせ!ログレコメンダー」「るいじしゃく」採用、そして3日(木)にはALBERTとしては初の店舗設置型接客システムとして「Bull's eye」が採用された事が大きく取り上げられた。さらに3日(木)の夜、WBSのトレンドたまごのコーナーで『SUDACHI』を搭載した「見つかる.jp」が放映された。(見られなかった方はこちらから)。
決まったのは前日の正午、取材は当日の13時からと、色々な準備もあり相当な忙しさだった。上場企業の経営者なども含め、何人かのかたに、なぜALBERTさんはそんなにたくさん新聞やテレビに取り上げられるのですか?と聞かれた。この回答についてはALBERT広報ブログに譲るが、先週はその騒ぎの中ロジカルシンキング勉強会を実施した。
ロジカルシンキングについては、色々な場面で書いたり話したりしている。たとえば「ロジカルシンキングは言葉である」とか、「数学者をロジカルな人だとは言わない」とか、結局は「帰納と演繹」「MECE」「ロジックツリー」を覚える事だ等。今回の教育では、「ロジカルシンキングて結局何なの?」「ロジカルシンキングって本当に必要なの?「ロジカルシンキングて何に役に立つの?」という3つの問いかけをした後、3つの事を「うまくやる」ために必要なのだという話をした。その3つとは、「話す」「書く」「聞く」だ。
では、実際にビジネスの場面ではどんな事なのだろうか。全員にいくつかの質問をし自分に点数をつけてもらった。例えば「簡潔な口頭報告ができるか」「ポイントが明確な資料を作れるか」「時間内に会議を終わらせる事ができるか」「MECEなヒアリングができるか」・・・・・・等々。点数はすべて相対評価。15人の参加者がいたので、上位何位に入るかで、1位・・・5点、2位~4位・・・4点、5位~11位・・・3点、12位~14位・・・2点、15位・・・1点という自己評価をしてもらった。この結果が非常に興味深いが、今日は本題からそれてしまうので述べない事にする。
次にグループワークを2種類行なった。今回のロジカルシンキング研修は、私が書籍や実施例などから収集した情報にさらに独自に考え出したアイデアをプラスして実施している。当初はほどほどロジカルな人を社外セミナーに派遣、後日その内容を全員に共有してもらおうと考えた。しかし、色々調べたが、社外のセミナーは、かなり質的ばらつきがある事が分かり、しかも事例などが自社の業容に合っていない等の問題もあり、高いお金を払って無駄に時間を使うくらいなら、自分で考えてしまおうとオリジナルなプログラムを編み出した。
その一つが紙の枚数カウントコンテストだ。ある決まった枚数の紙をグループに1束ずつ配賦し、どこのグループが早く正確に数えられるかというゲームだ。事前に作戦タイムがあるので、3人でどう役割分担をするか等を考える。スタートの合図で数えるのだが、各チーム色々なやり方を考えるものだ。まず3等分して各自の合計を暗算が得意な人が計算する方法、10枚ずつ置いて行き端数を数える方法、枚数を数えるのが得意そうな一人が数える方法などだ。どのやり方が優勝したかは明らかにしないが、5チームのうち2チームが枚数を間違えた。たった50枚の紙の数すら数えられないとは、誠に情けない。それ以上に準備段階で50枚ずつセットしてもらったのだが、その50枚が50枚でなかったというオマケ付きだった。1ヶ月後に同じチームで同じゲームをやるので、それまでに充分な作戦を練っておくように指示してあるので、次回が楽しみだ。
さて、かなり回り道をしてしまったが、地球温暖化問題の話。目標というのは達成しなくては意味がない。またそれに向けて何らかのアクションが打てなくては役に立たない。2050年に半減という目標はどうであろうか。あまりに先過ぎて、私もそうだが、失礼ながら現役の国会議員のほとんどがいらっしゃらないだろう。これは数値目標とは言えないと思う。「地球温暖化を防止しましょう!」というスローガンとあまり違いはない。企業も同じで、ALBERTでは長期計画は立てない。3カ年の中期計画止まりだ。私が某企業にいたときに、1990年に売上げを1兆円にしようという計画が持ち上がり、既存事業をそれそれ何倍にして新規事業で2000億円を売り上げれば達成するという様な非常に乱暴な計画だった。3000億程度しか売上げ規模がない頃である。当時の人事教育部主催の何かの研修のグループワークで、どうすれば1兆円を達成できるか考えて発表しろというものがあった。私のグループは、「達成できません」という発表をしたら、人事部長からひどく怒られた。今思えば生意気な社員だったと思うが、残念ながらその会社は未だに1兆円は達成していないようだ。
もう一つ、1990年に比較して・・・という議論がある。目標の設定を比率で考える事には色々なリスクがある。そもそも1990年に省エネの努力をしていた日本は不利で、その当時にじゃぶじゃぶとタレ流しにしていた国は有利だとか、開発途上で工業が発展していなかった国は有利だとか、そういう話になる。比率が機能するのは、企業経営でもそうだと思うが、ある程度安定し軌道に乗ってからだと思う。たとえば赤字会社に利益率の意味はなく、先行投資のフェイズの会社で前年比で売上げを語る意味はあまりない。比率の議論には、母数の正しい定義や安定性、説得性が必要だ。
プロ野球でも市場調査でも同じだ。開幕したばかりの時に、打率の話をしても意味がない。市場調査の結果では、サンプル数が30未満の時にはSB(Small Base)などと注意書きをし、参考程度に見て下さいという。営業成績でも3件アポを取って1件受注したので、受注率33.3%などという報告をする人がいるが、全くロジカルでなく意味がない。「3件中1件受注しました。」だけで充分なのである。また、営業の目標を前年対比で何%アップ決める事があるが、これも危険だ。頑張ると翌年の目標が上がると思えば、ある程度以上頑張らないというのは当たり前の心理だからだ。このあたりは、マルマンでもイデアの橋本さんと一緒にかなり苦労した。
この様に考えると、地球温暖化問題というのは、どう考えても母数は安定していないし、合理的で説得性のある定義ができるとは思えない。そういう意味で、ロジカルに地球温暖化の解決策を考えると、まずは量の大きい所からつぶすべきではなかろうか。様々な努力を個人に求めるのは、もちろん意識という意味でも効果という意味でも頭から否定はしないが、自分達の努力が巨大な企業や国の方針や政策でまたたくまに無に帰してしまうとしたら、誰が継続的努力をするだろうか。
コンビニの深夜営業を規制する動きがある。賛否両論がありマスコミは街の声としてインタビューを流しているが、「若い人のたまり場になるので深夜営業はやめるべきだ」とか「明るいと景観が悪くなるから深夜営業はしないほうがいい」とか「深夜は昼間よりお客さんが少ないから儲からないだろう」とか、「それって温暖化に関係ないでしょ!」という、極めてアンロジカルなコメントを聞かされる。別にコメントをする人は個人の考えだし責めないが、それを取り上げて、だからコンビニを深夜営業すべきでないとか言っている人々には呆れかえる。
企業のコストダウンで、廊下の蛍光灯を消すとか、2本を1本にするとかいう方法があるが、私は決してそのような事はしない。意識付けさせるために、暗い廊下を歩かせるというなら分かるのだが、社員のモチベーションが最大の企業力→社会への貢献だと思っているから、僕なら企業のコストに占める比率を分析し、多い所から手を付ける。削減の努力や困難さに対して、効果の大きさがどの程度あるかを分析をし、(効果/対策コスト)を最大にする事を考える。自分は政治家ではないが、もし政治家であったら、まずは地球温暖化税をいうものをその排出量に比例して取り、それらの税収で地球温暖化助成金を出す。家庭用ソーラー発電機やゴミ処理機には80%は助成金が出るとかだ。エアコンの温度を1度上げましょうとか、夜中に働かず早朝出勤しましょうとか言われても、なかなかできない。まずは、すぐにできる目標を作り実施する事が重要だ。目標というのは、達成することとアクションが打てる事が重要なのだ。
2008年07月03日
今日テレビにでますよ!今まさに撮影中!(上村崇)
posted by Takashi Uemura
本日放送されるテレビ東京のワールドビジネスサテライトに弊社が紹介されます!
WBSは3月の放送に続き、なんと今年2回目!
今回は先日IVSでも発表した弊社の類似画像検索システム『SUDACHI』と、その活用例として「見つかる.jp」のファッションカテゴリが紹介される予定です。
今まさに撮影中です!
皆さん是非見てください!!「トレンドたまご」のコーナーです!
■放送日時:7月3日(木)23時~(一部地域により異なります)
■放送局 :テレビ東京(TX)http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/
テレビ北海道(TVh)・テレビ愛知(TVA)・
テレビ大阪(TVO)・テレビせとうち(TSC)・
TVQ九州放送(TVQ)・岐阜放送(GBS)・
びわ湖放送(BBC)・奈良テレビ放送(TVN)・
テレビ和歌山(WTV)・BSジャパン(BSJ)・
京都放送(KBS)・日経CNBCスカイパーフェクTV!
中身はまだ分かりませんが、会長の山川のインタビューもあるかもです!
ついでに、、
IVSで発表した、『SUDACHI』のプレゼン動画もあります!
動画はこちら
2008年07月01日
【祝3周年】今日はALBERTの創業記念日(上村崇)
posted by Takashi Uemura
ALBERTは2005年7月1日に創業しました。
丸3年が経ち今日から4年目に突入です。
ステイクホルダーの皆様におかれましては、引き続き温かいご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
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しっかし、インタースコープに間借りして創業したのが本当に昨日のことのようだ。
まだまだ何の結果も出せていない今、過去を振り返るには早すぎると思うが、せっかくなんでちょっと思い出してみよう。
ご存知の通りALBERTは山川上村の二代表性をとっている。今は山川もALBERTにフルコミットしているが、実は創業から20ヶ月間は、インタースコープとALBERTを半々で兼務していた。
とはいっても山川は人の3倍は仕事をするので、普通と比べると1.5倍コミットくらいにはなるのだが。
とはいえ、経営者一年生の僕がメインで牽引したALBERTは創業から1年半は間違いなく「迷走」していた。何度もこのBlogで書いているが、多角化のジレンマに陥っていたのだ。
メディア事業を早期に拡大したいという想いから、Beauty、ブライダル、保険と矢継ぎ早に立ち上げたのだが、パワーが分散し、各メディアの差別化が遅れた。
昨年に大きな戦略転換を行って、エンジン事業を軸とし、メディア事業は「見つかる.jp」として一つのメディアに統合し、レコメンドエンジンによる徹底した差別化を目指した。
また今年に入ってからは「一意専心」を掲げ事業部制を導入した。
この3月からは山川も100%濃縮還元でALBERTにコミットしている。
これらが功を奏して、最近は連日のように新聞、雑誌に取り上げられているし、売り上げも少しずつついてきて、上期は速報で109%達成と、まずまずだ。
下期、来期と非常に高い目標を掲げているので、このタイミングで再度戦略を練り直し、社内体制も整えて挑みたい。
しんみり振り返る気は毛頭ないが、一言だけ、
3年間、ついてきてくれたスタッフの皆、ありがとう。
でも、まだまだこれからが勝負だから気合入れていきましょう。
これからも宜しくね。