2008年12月18日、瀟湘晨報はソマリアへの軍艦派遣に関するコラムニスト・暁宇氏のコラムを掲載した。同氏は、安保理の常任理事国である中国にとって派遣は国際的義務だと主張した。
ソマリアの海賊被害は日に日に深刻化しており、中国の船舶も甚大な被害を被っている。11月14日、中国漁船・天裕8号はケニア海域で海賊に襲われ、中国人船員17人を含む人質25人はいまだ解放されていない。今月17日にも貨物船・振華4が襲撃されたが、船員らは手製の火炎瓶などで武装、機関銃などの兵器を持ち船内に乗り込んできた海賊に抵抗した。戦闘開始から4時間、マレーシア軍をはじめとする各国の援軍が駆けつけた。翌18日にもソマリア海賊は3隻を襲撃、うち1隻は香港を出港した船だった。
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度重なる被害に中国国内では海軍派遣を求める声が高まっていたが、18日、中国外交部の劉建超(リウ・ジエンチャオ)報道官は正式に派遣の方針を認めた。15世紀、明朝の「鄭和の大遠征」以来となる、遠洋任務となった。中国国内からは「自国船舶と国益を守れ」という声が、海外からは「国威発揚を狙ったもの」との批判が上がっている。これに対し、コラム作者は「派遣はナショナリズムを超越すべき」と主張する。安保理の常任理事国として、各国と協調して活動するのは義務であり、世界共通の利益を追求することが肝要だと説いている。(翻訳・編集/KT)
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