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ウォン相場が急反発、一時的現象との指摘も(下)

 円相場も5日連続で上昇し、前日比1円38銭の円高となる1ドル=87円40銭を付けた。円は1995年以来13年ぶりの高値だ。

 韓国の外国為替市場でドル資金不足に対する不安感がかなり解消されたことも円高の要因になっている。韓米通貨スワップでドル資金が供給され、銀行間でドル資金を融通する外貨資金市場にも余裕が生じた。経常収支が黒字に転換したほか、韓中、韓日の通貨スワップで緊急時に導入できる資金が増えたとの心理的な安心感もある。

 また、企業の決算期を控え、政府が年末の為替相場を安定させようと為替市場に介入するのではないかとの観測もあり、為替はウォン高方向で安定傾向を見せている。

◆年末より年始が問題

 為替ディーラーや専門家は年末のウォン相場が1250ウォン前後で安定すると予測している。しかし、ウォン高傾向が来年初めまで続くとは見ていない。

 年末はやり過ごしても、世界的な景気低迷がさらに深刻化する来年初めには金融市場で再び金詰まりが生じ、小さなショックでもウォン安に振れ、為替相場が動揺する可能性が高いとの見方だ。専門家は来年下期には景気が改善し、世界の金融市場に資金が回るようになった時点で、韓国の外国為替市場が本格的な安定を取り戻すと見ている。

 しかし、来年初めに超えなければならない波がどれだけ高いかに関しては、専門家によって意見が分かれる。

 サムスン先物のチョン・スンジ研究員は「年末には1250ウォンまでウォン相場が上昇する可能性が高いが、来年1-3月期にはドル急落後の反発でウォン相場が1300ウォンまで下落する可能性が高い」と予測した。

 NH先物のイ・ジンウ部長は「来年初めのウォン相場は1500ウォンを超え、1600ウォン近くまで下落する可能性がある。為替ヘッジ用の通貨オプション商品を含め、今年処理すべきだったドル需要が来年に先送りされており、今年受けるべき衝撃を来年になってまともに受ける可能性がある」と指摘した。

 外換銀行のキム・ドゥヒョン次長も「世界的な景気低迷という不安要素が消えず、輸出が減少することも為替市場にはマイナスの影響を与えている。来年初めは依然として不安だ。来年1-3月期には一時的にウォン相場が1450ウォンまで下落することもあり得るが、今年の為替相場の動揺ほど深刻な事態にはならない」と見通した。

姜京希(カン・ギョンヒ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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