記事入力 : 2008/12/12 11:48:37
【記者手帳】ノーベル賞益川教授の後悔
今年、ノーベル賞受賞者を4人(うち一人は現在、米国籍)も輩出した日本のお祝いムードは、10日の授賞式で最高潮を迎えた。発表直後から最も話題を集めたのは、やはり益川教授だ。ずっと日本国内で勉強してきた「非留学組」で、英語が苦手だから海外に行った経験もなく、パスポートすらないというエピソードの数々が伝えられたためだ。
益川教授がノーベル賞を受賞したというニュースは、「英語コンプレックス」に悩まされている日本人にとって、胸のつかえが一気に下りたような出来事だった。益川教授は堂々と「英語ができなくても物理はできる」「英語ができないから物理をやった(英語ができないので文系をあきらめ、物理を専攻したという意味)」という。「英語による講演を求められたら?」と記者たちが質問すると、冗談混じりに「(ノーベル賞を)返す」と答えたほどだ。
しかし、授賞式出席のため、生まれて初めて海外に出てからというもの、益川教授の考えはすっかり変わってしまった。
益川教授は日本語での記念講演を終えると、「世界の人に情報を発信するつもりなら、英語が話せなければ科学者としては半人前」「科学者ですから、世界中の人間とコミュニケートしないと。英語がしゃべれたら、できたんだけどね」と、悔しさをにじませた。日本の各メディアは、「益川教授はほかの受賞者とのコミュニケーションに難しさを感じているようだ」と報じている。
益川教授は受賞が決まった直後、大学生を対象にした講演で「大学院を卒業したら海外に目を向けなさい」と語りかけた。「英語ができなくても物理はできる」という時代は、日本でも益川教授で終わりのようだ。
東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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