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【主張】医師不足 研修見直しにとどまるな

2008.12.19 03:59
このニュースのトピックス主張

 医師不足を解消するため、厚生労働省と文部科学省が医師の臨床研修制度の見直し案を厚労・文科合同の専門家検討会に提示した。

 脳内出血を起こした瀕死(ひんし)の妊婦が受け入れを拒否されるなど、とりわけ勤務医の不足は深刻だ。医師不足の解消には、さまざまな角度から問題点を洗い出し、総合的な対策を講じるべきである。

 臨床研修制度は医師免許の取得後に2年間、診療研修を積む制度で、平成16年度から導入された。それまでは研修医の出身大学の医局を中心に行われていたが、導入後はそれぞれが研修先の病院を自由に選べるようになった。

 その結果、症例が多く勤務条件の良い都市部の民間病院に希望が集中し、大学病院が働き手となる研修医を確保しにくくなった。大学が派遣していた医師を関連病院から引き揚げる動きも相次いだ。この制度の導入が勤務医不足を招いた一因と指摘されている。

 見直し案は、地域偏在解消のため、病院が研修医を募集するときの定員に上限を設けることや、地域医療の研修を一定期間義務付けることを盛り込んだ。産婦人科や救急、外科など希望者が少ない診療科は一定の研修医を確保できるよう検討を進めるという。

 こうした規制も、ある程度はやむを得ないだろう。検討会の調査だと医学生の多くも、給与など条件が整えば地方での研修も構わないと回答している。

 現行制度では医師免許取得後2年間で7つの診療科の研修が必須だが、今回の見直し案では1年で内科や救急など基本となる診療科の研修を終え、残りの1年は将来専門にしたい診療科で診療を担うことも提示された。ただ、これだと医師としての総合的な研修が不十分なまま専門に入ることにもなりかねない。今後、慎重な検討が求められる。

 医師不足の問題は臨床研修制度を改めるだけでは決して解決はしない。何より、不足している病院勤務医を計画的に増やし、足りない地域や診療科に配置していかなければならない。

 そのためには開業医に比べて低すぎる勤務医の給与や労働条件を改善することだ。さらに地方の病院での一定期間の勤務を開業条件に入れたり、医師が診療科を自由に名乗れる自由標榜(ひょうぼう)制に制限を加え、一部の診療科への集中を防いだりすることも必要である。

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