2008年12月19日(金)
峡南・病院再編 経営統合視野に連携 飯富、身延山、しもべの公私立 県構想を承認
厳しい経営が続く公立病院の再編・ネットワーク化で、山梨県は18日、過疎・高齢化の進む峡南地域について、中南部は組合立飯富病院と民間2病院の経営統合を視野に連携していく構想をまとめた。ニーズの高い慢性期医療や在宅医療を提供しながら安定的な経営を図るため。同地域北部は、市川三郷町立病院の経営改善策として病床数のあり方の検討を明示。「現状維持」の方針を示している同病院に事実上、削減を促した格好だ。
峡南地域の病院は公私立合わせて、北部(市川三郷町立、鰍沢)と中南部(飯富、身延山、しもべ)に分割し、再編策を検討してきた。構想はこの日開かれた、県の地域保健医療推進委員会で承認された。
中南部は65歳以上の高齢者が人口の約35%を占め、県内で最も高齢化が進行。患者数の減少も予想されている。人口10万人に対する医師数も県内で2番目に低い。構想では、飯富病院と身延山、しもべの民間2病院の連携が必要とし、将来的な経営主体の統合の方向性を示した。今後、3病院は手術などに対応する急性期病院と療養中心の慢性期病院の機能分担も進めていくとみられる。
一方、北部は、社会保険庁の解体に伴い、核となる鰍沢病院の存廃、譲渡など将来像が不透明なため具体的な方向性は保留とし、市川三郷町立病院の病床数の検討を盛り込んだ。病床利用率が低迷、国基準で病床削減などの見直しが求められている同病院は、現在の100床は維持し、医師確保や経費削減などで黒字化を目指す改革プランをまとめたばかり。事実上の“削減勧告”に、河野哲夫院長は「鰍沢病院の動向を見据え、検討したい」と話した。
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