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  2008年12月19日記載
  カップヌードル低カロリー版発売、即席めん革命への期待
 

今年の漢字「変」が発表されたばかりだが、最近の新聞紙上を賑わせている活字を見ると「減」の文字が目立つ。減益、人員削減等。経営活動上、入が見込めないときは出を控えて利益確保するのが鉄則だが、世界的構造不況において非正規社員の人員削減をはじめ、内定取り消しなど、負の要素に関連する情報が急速な勢いで拡大しはじめている。

特に自動車業界の急激な業績下方修正に関する動向を見ても影響度は多大であり、ある一社が人員削減を発表すると軒なみ他の企業も追従する、便乗値上げと似たような現象が雇用削減という形として連鎖現象が発生している。

設備投資の抑制も加速化している。ホンダのF1撤退発表のすぐ後にスズキのWRC撤退報道。翌日にはスバルまでWRC撤退と続いた。同業の企業の1社が思い切った発表をすると他社も追従する横並び方式の発表は大変いかがわしい。とはいえそれだけ経営状況の先行きが怪しいためのスピード要素を持った経営判断として受け取れる。

各企業が経費節減のために工場閉鎖や設備投資の先送りなどが加速化すると、関連する雇用機会も減少し負のスパイラルが蔓延する。世界経済混乱の発生元であるアメリカでは、なんとかこうした不景気から脱出を図ろうと政府やFRBからアメリカ市場初となるゼロ金利政策や量的緩和など、日本よりも圧倒的なスピーディにて大胆な政策を打ち出し、市場にお金が潤滑するよるための努力が感じとることができる。

このように「減」にまつわる状況下において、このほど日清食品から定番のカップヌードルを現行品の消費カロリーから大幅「減」させた低カロリー版カップヌードルを発売するとの報道発表が行われた。味は元祖しょうゆ味とシーフード味の2種類。従来品は約350kcalほどあるが、商品の製造方法を従来方式から大胆に変更することで低カロリー版では200kcal以下を実現したという。価格は据え置き。問題は味である。通常、低カロリー版は標準品と比べて何かしら味も変化したり劣化しがちだが、変わらぬ味を追求するカップヌードルはどうなのだろうか。

これまで即席めん分野では低カロリー版は存在しなかった。それだけに新しく採用した製法が今後標準化するかもしれない。味が従来品とほとんど差がないようなら、負の要素として用いられることの多い「減」も消費者にとってはありがたい減として親しまれるだろう。発売したらすぐにでも食してみようと思っている。

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