2200億円削減方針で合意−閣僚折衝
中川昭一財務相と舛添要一厚生労働相は12月18日、来年度予算編成で焦点になっている社会保障費の伸び2200億円分の削減方針をめぐって折衝し、「特別保健福祉年金事業」の清算によって捻出(ねんしゅつ)する財源を充当することなどで合意した。 政府は1990年、86−89年度にかけて繰り延べてきた基礎年金の国庫負担の返済資金として、1.5兆円の基金を設置。高齢者の医療費への拠出金に伴う健保組合の負担を軽減するため、「特別保健福祉年金事業」として基金の運用益を使ってきた。1370億円は繰り延べ分を解消して捻出するが、厚生労働省は来年度以降も事業を継続する方針。 政府が7月に閣議了解した予算概算要求基準(シーリング)では、税制上の措置により新たな安定財源が確保できた場合、社会保障費の2200億円削減の取り扱いを予算編成過程で引き続き検討する方向が示されていた。しかし、特別保健福祉年金事業の清算と、一般財源化される道路特別会計財源の活用は単年度限りの措置のため、2010年度予算の編成過程でも財源確保をめぐる調整が難航する可能性がある。 中川財務相は同日の記者会見で、「これが安定財源かと言われると、決してそうではないとわたしも思っている」と述べ、安定財源を確保するため、景気の回復を前提に、税制の抜本改革を11年度に実施する必要があるとの認識を示した。その上で、「安定財源が得られない10年度のことも、今からしっかり考えてほしい」と述べた。
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健保連「2200億円一律的削減は限界」 折衝で舛添厚労相は、医師確保、雇用、少子化対策に必要な予算を「重要課題推進枠」として充当するよう要請した。財務省は20日に当初予算案を各省庁に内示する方針で、これを受けて麻生太郎首相が最終判断を下す。政府は、来年度予算案を24日に閣議決定する見通しだ。
削減する2200億円の内訳は、特別保健福祉年金事業の清算分が1370億円、後発医薬品の使用促進による捻出分が230億円で、残りの600億円は一般財源化される道路特別会計財源を活用して捻出する。社会保障費の実質的な削減は、後発品促進による230億円にとどまることになる。
更新:2008/12/18 22:31 キャリアブレイン
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