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住宅火災、高3生が寝たきり83歳男性救出 東京・府中

2008年12月18日11時50分

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写真寝たきりのお年寄りを助け出した松本優士さん=東京都府中市新町1丁目

 17日午後5時10分ごろ、東京都府中市新町1丁目の無職平塚治男さん(83)方から出火、木造2階建ての住宅約120平方メートルが全焼した。この火事で治男さんと妻和代さん(81)が逃げ遅れたが、向かいに住む都立神代高校3年生松本優士さん(18)が水をかぶって平塚さん方に救出に向かい、病気で寝たきりだった治男さんの両脇を抱えて縁側まで引きずりだして消防隊員に引き渡した。

 東京消防庁などによると、平塚さん方は2人暮らし。治男さんは顔にやけどを負い重傷だが命に別条はなく、和代さんものどの軽いやけどで済んだという。

 同庁によると、救出当時は激しく燃えていたという。

 松本さんによると、自宅の居間でテレビを見ていたら、「助けてくれ」という大きな声が聞こえて、火事に気が付いた。ガラスが割れたり、物が落ちたりする音もしたという。平塚さん方の周りに集まっている人たちには高齢者が多く、「自分しか動ける人がいない」と思って自宅庭でバケツに水をくみ、頭からかぶって、比較的燃えていなかった平塚さん宅の裏に回った。室内に放心状態に立ちすくんでいる和代さんが見え、「裸足でもいいから外に出て」と声をかけて避難を促すと、床に治男さんが仰向けに倒れているのが見えた。

 松本さんが中に入ると煙が充満していた。「少しのどが痛かった」というが、治男さんの両脇を抱えて縁側まで引きずったところ、消防士が現れたので一緒に運んだという。

 「たまたま自分はそこにいただけ。とにかく助けないとという思いで頭がいっぱいだったので怖いとは思わなかった。おじいちゃんが元気になってくれたらいいですね」

 府中消防署は「非常に勇敢な行動。水をかぶって服をぬらしたのも理にかなっていた」と話した。(小島寛明、岡田健)

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