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【神奈川】

米陸軍前方司令部あす1周年 陸自と中枢部で連携へ

2008年12月18日

 キャンプ座間(座間市、相模原市)に拠点を置く米陸軍第一軍団前方司令部が十九日、発足一周年を迎える。在日米陸軍司令官で、同司令部の司令官も兼ねるフランシス・ワーシンスキー少将が十七日、本紙などの取材に応じ、「司令部の中枢部で陸上自衛隊と共通の任務を行うことになる」と述べ、連携の強化を示した。また、指揮や戦術の中枢となる「指揮統制センター」を公開した。 (藤浪繁雄、樋口薫)

 前方司令部は一年前、約三十人の要員で発足。従来、キャンプ座間の部隊は、輸送や通信などの後方支援が主体だったが、米西海岸フォートルイスが本拠の第一軍団の前方拠点と位置付けられた。

 ワーシンスキー司令官は前方司令部の現状について、「七十−七十五人。最大でも三百人を超えない」と明言し、「米陸軍の最優先の任務はイラクとアフガニスタンでの対テロ戦争。配置などはその状況による」と話した。

 また、第一軍団司令部本体が移転する可能性については「来年、第一軍団がイラクに展開するが、前方司令部は別個の組織」と強調した上で、「移転するのか、何人来るのか、最終的には決まっていない」と含みも持たせた。米国経済は悪化しているが「政権が変わり、任務の優先順位が変わるかもしれないが、前方司令部は大きな変化はないだろう」と分析する。

 陸自との連携については「同じ任務を遂行することになる」と強化を進める方針。特に陸自が海外派遣の際、先遣隊となる「中央即応集団」(二〇一二年度までにキャンプ座間に移転)との関係について、司令部中枢の「指揮統制センター」内に、「一部、(陸自用の)席を設けて共通の任務にあたる」とした。

 また、相模総合補給廠(しょう)(相模原市)に整備予定の「戦闘指揮訓練センター」について、「できれば来年一月に工事を始めたい」と明かし、来年夏着工の予定を早める考えを示した。ここでもデジタル技術を駆使して、陸自とシミュレーション訓練を強化するという。

 六月末に就任以来、近隣自治体などを回る。「市長や地域の方々と良好な関係を築いている。もっと多くの交流を持てばさらに良くなる」と話した。

 

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