【社会】攻撃予告などで運航中止30回 「戦地」のイラク空自部隊2008年12月16日 21時57分
航空自衛隊のC130輸送機が5年にわたるイラクでの輸送任務中、武装勢力による地対空ミサイル攻撃予告や不審者発見などの「脅威情報」により、運航を中止したケースが約30回に上っていたことが16日、複数の関係者の話で分かった。 うち約20回はバグダッド空港への空輸任務で、上空で着陸待機中に脅威情報が入り、急きょ行き先を変更したこともあった。今年6月には、同空港内の自衛隊宿舎の約50メートル先にロケット弾が着弾した。 「バグダッドは戦闘地域」と指摘した4月の名古屋高裁判決が裏付けられた形で、「戦地派遣」の危険な実態が浮き彫りになった。 防衛省幹部は「脅威情報などによる部隊の具体的な動きが表面化すると、その後のオペレーション(作戦)に影響が出るため、個別の事案については公表しなかった」と説明している。 空自派遣部隊の輸送機は2004年3月、クウェートのアリ・アルサレム空軍基地を拠点に、陸上自衛隊が駐留したイラク南部サマワに近いアリ(旧タリル)空港へ空輸任務を開始。06年7月から任務を広げ、バグダッドへ乗り入れた。 関係者によると、約30回の運航中止のうち残り約10回は、アリ空港への空輸だった。 (共同)
|