現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. 中南米
  5. 記事

「米国抜き」中南米カリブ33カ国、初の首脳会議(1/2ページ)

2008年12月17日23時2分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 【サルバドール=平山亜理】中南米・カリブ海地域33カ国の首脳による初めての首脳会議が16日、ブラジル北東部のサルバドールで開幕した。米国抜きで金融危機対応や食糧危機問題などを協議する。新興国として自信を深めるブラジルを中心に、次期米政権に地域の独自性をアピールする狙いがある。

 同会議はブラジルのルラ大統領が提唱。米国主導の米州機構(OAS)諸国から米国とカナダを除き、代わりにキューバが参加するこれまでにない枠組みで、「米国離れ」を強く印象づけている。親米のコロンビアとペルー両国首脳は欠席した。

 原油や天然ガスなどの資源が豊富な中南米・カリブ海地域は、近年の資源価格の高騰などで昨年まで5%台の経済成長を続け、自信をつけている。ブラジルはロシア、インド、中国とともに有力新興国・BRICsと呼ばれ、影響力を増している。また、ベネズエラ、ボリビアなどの左派政権が、貧困の根絶を訴え「21世紀の社会主義」を掲げて反米姿勢を鮮明にするのも、資源収入に裏打ちされたものだ。

 オバマ次期米大統領の就任が近づくなか、対等な関係を築くためのメッセージを発信する機会として首脳会議を開いたとみられる。ブッシュ政権批判で知られるベネズエラのチャベス大統領は、「敬意をもってほしい」と語った。

 ただ会議では、中南米・カリブ海地域が一枚岩ではないことも明らかになった。

 左派のニカラグアのオルテガ大統領が「貧困は欧米による搾取の結果で、我々は被害者だ」と米国を非難。キューバのラウル国家評議会議長は、経済封鎖を続ける米国を「人権侵害」と訴えた。一方、米国と北米自由貿易協定(NAFTA)を結ぶメキシコのカルデロン大統領は、金融危機対策として海外投資の重要性を強調。「保護主義に陥らず、地域の政治、経済の壁をなくすことが必要」と述べるなど、立場の違いが浮き彫りになった。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
  • 中国特集