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【国循の不同意治験】母親「納得できぬ」変わり果てた姿…説明なく (2/2ページ)

2008.12.17 10:11
このニュースのトピックス病気・医療
意識不明になった患者の母親が書いた治験同意書。「そのまま署名するわけにはいかない」と、治験継続に納得できていない思いを率直に記していた意識不明になった患者の母親が書いた治験同意書。「そのまま署名するわけにはいかない」と、治験継続に納得できていない思いを率直に記していた

 悲劇は、手術から約2週間後に起こった。呼吸が苦しくなりだし、容体が急変。心臓にできた血の塊を取り除く緊急手術が行われた。蘇生(そせい)はしたものの、変わり果てた姿で帰ってきた。意識はなく、口には管が入っていた。「長い間心臓が止まっていたので、脳に何らかのダメージが起きた可能性がある」。医師の説明に「何があったら心臓が止まるのか」と聞いたが、説明はもらえなかった。

 この治験では、手術から6カ月後に、継続の同意を確認する必要があった。手術から半年が過ぎた昨年秋に、母親は同意書を示された。意識不明の本人は署名ができるはずもなく、「お母さんでいいですから」と勧められるまま息子の欄に署名し、「代筆母」と書いた。

 今年2月、再び継続の同意書が示された。他のケースで脳血管障害などの有害事象が発生したため、その説明を行ったうえで、再度、同意を確認するためのものだった。「このままではとても納得できない」。母親は訴えたが、治験コーディネーターからは「出さないわけにはいかないから書いてほしい」と言われた。「そのまま名前を書くわけにはいきません」と、母親は同意書に自分の思いを書いた。

 「手術する前に説明された内容と大きく異なります。今回のこの文書に記された内容を理解(納得)することはできません。ですが、生命維持するためには、治験に参加するほかないでしょ?」

 母親は、産経新聞の取材に、「(病院側に)継続の同意をしていない。できないんだという意思をわかってほしかった」と訴えている。

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意識不明になった患者の母親が書いた治験同意書。「そのまま署名するわけにはいかない」と、治験継続に納得できていない思いを率直に記していた
意識不明になった患者の母親が書いた治験同意書。「そのまま署名するわけにはいかない」と、治験継続に納得できていない思いを率直に記していた
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