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養成始まるナース・プラクティショナー 初期診療や薬の処方目指す (1/2ページ)

2008.12.17 08:01
介護ホームでNPとして働く緒方さやかさん(右)=米コネチカット州介護ホームでNPとして働く緒方さやかさん(右)=米コネチカット州

 医師不足が深刻な中、看護師ら医師以外の医療従事者の役割を拡大してはどうか、という声が上がっている。米国ではナース・プラクティショナー(NP、診療看護師)やフィジシャン・アシスタント(PA、医師助手)という職種があり、診察や治療、患者説明などを担当している。日本でも今年から、NPの養成が始まり、医療を担う新たな存在として注目されている。(平沢裕子)

 米国のNPやPAは、日本では医師にしか認められていない初期診療や急性の病気の手当て、薬の処方などを行うことができる専門職だ。米国でNPとして働く緒方さやかさんによると、NPは米国で医師不足が懸念された1960年代に養成が始まり、90年代に医療の質の高さや医療経済的な面から評価され活用が広まった。免許保持者は現在、14万人に上るという。

 緒方さんは「患者さんは『ちゃんと診てくれるなら医師でもNPでもかまわない』と考える人が多い。医師からは『専門の研究に専念する時間ができた』『休暇がとれるようになった』と言われることもあり、いい関係を築いている」と話す。

 名称にナース(看護師)が含まれるため、NPは看護師がスキルアップした職業ととらえられがちだが、米国では看護師の資格がない人も養成大学で学べば資格を得ることが可能だという。今年6月、米国のNPやPAの現場を視察した東京女子医大心臓血管外科の西田博講師によると、NPはシフト勤務で週40時間労働が守られ、資格取得1年目で年収7万5000〜8万ドル(675万〜720万円)程度。西田講師は「医師ほど責任が重くなく、忙しくないうえ、安定した収入が見込めるとして、米国では人気の職種となっている」と話す。

 大分県立看護科学大大学院(大分市)は4月、日本で初めてNP養成コースを開設した。無医地区などをかかえる同県で、より良い医療を住民にくまなく提供するために、NPのような高度医療を実践する看護師は不可欠だとして、養成が始まった。地域医療を担い、老健施設などで活躍する「老年NP」と、小児外来などで活躍する「小児NP」があり、現在3人が学ぶほか、平成21年は5人の入学が決まっている。

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