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【産科医解体新書】(17)昼食代VS.産み逃げ (1/2ページ)

2008.12.17 08:06

 出産費用は安くても40万円はかかります。誤解があるようですが、この40万円が丸々、産婦人科医の取り分になるわけではありません。皆さんの主治医が、この40万円を懐に入れていそうな、見るからに悪そうな顔をしていたとしても、それは当直続きで満足に睡眠を取れていないからです。高いですが、今のシステムでは、この金額はやむを得ないかもしれません。

 患者さんの中にはその金額に納得できないのか、お金を払わずに帰ってしまうお母さんもいらっしゃいます。そういう方は、お金が払えないようには、僕らからは見えません。ブランド物のカバンにたくさん着替えを入れて特別室に入院する人もいるのですから。無痛分娩(ぶんべん)を要求し、元気な赤ちゃんを産んだ後には、病院のお産セットを2つくらい余計に持って帰ってしまう人もいます。病院の請求書をベッドに置いたままで。

 僕らが病院の食堂で遅い昼食をとろうとしていると、病棟から呼び出しがあり、「さがせー」の号令がかかります。僕らは食べるのを中断し、方々に電話をかけることになります。ただ連絡がついても、先方の家族から逆に恫喝(どうかつ)されることがあるので、個人的には「連絡がつかなければいいのに」と思うほどです。

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