函館路面電車図鑑
日本で路面電車の走っている町は、札幌・函館・東京・豊橋・富山・京都・大阪・広島・岡山・高知・長崎・熊本・鹿児島などで、地方の都市数を考えると結構貴重な存在だといえる。
函館もそんな町の一つで、路面電車=函館市電が走っている。全盛期に比べたら路線もだいぶ縮小されたが、今でも新旧の車両が現役で走っている。



1897年(明治30年)の亀函馬車鉄道がはじまりとされている。
軌間1372mm 
As覆工軌道 
全線複線 
電化電圧 DC600V

現在の路線は車道上下線の間に路面電車の軌道が敷設されていて、両側を走る車道は片側1.8車線くらいの広さの道路になっている。


電車専用信号「赤」の状態


電車専用信号「右折進行」の状態


基本的には車の信号に準ずるが、電車が右左折する交差点では電車専用の信号が設けられている。
★30型 〜箱館ハイカラ號〜
1910年(明治43年)製造。千葉県成田市(成宗電気軌道株式会社)で運転開始。函館に移籍したのは1918年(大正7年)。1937年(昭和12年)にササラ電車(除雪車)に改造され、雪2号として使用。1993年(平成5年)に路面電車開業80周年記念に「箱館ハイカラ號」として生まれ変わり、現在に至る。
39
★500型
1948年(昭和23年)製造。当初30両在籍していたこの型式も現在は1両を残すのみ。
530
★710型
1959年(昭和34年)〜1961年(昭和36年)にかけて製造。現在9両が活躍。
715
広告主:マルハン
〜マルハン号〜
716
広告主:函館市営競輪場
〜りんりん号〜
718
広告主:北海道新聞社
〜道新スポーツ号〜
719
函館市営熱帯植物園
〜オサルの電車〜
720
広告主:函館新聞社
〜はこしん号〜
721
広告主:函館仏教保育協会
〜にこにこでんしゃ〜
722
広告主:ヘ゜イストリースナッフルス
〜スナッフルス号〜
723
広告主:ローソン
〜LAWSON号〜
724
広告主:東京アカテ゛ミー函館校
〜東京アカデミー号〜
★改710型
1985年(昭和60年)、台車を流用し国鉄五稜郭車両所で改造。近代的な車体になっています。
711
広告主:函館べいこく
★800型
1962年(昭和37年)〜1965年(昭和40年)にかけて製造。710型と同じ外見ですが、前扉等に相違があります。現在3両が活躍。
811号は、「ひかりの電車」として冬季に電飾を施して運行している。
810
広告主:長谷川水産
〜イチヤママル号〜
811
広告主:金森洋物館
〜金森倉庫号〜(ひかりの電車)
812
函館市市民部国保年金課
〜こくほ号〜
Rollover:旧塗装 北海道警察
「パトカー電車」
★1000型
1955年(昭和30年)製造。かつて東京都の都電7000型として活躍していた車両。現在1両のみ活躍。
1006
函館地方法務局
〜人権号〜
1007(休車)
東京都電カラー
1008(休車)
〜こくほ号〜
★2000型
1993年(平成5年)〜1994年(平成6年)にかけて製造。
2001
広告主:ハセガワストア
〜やきとり弁当号〜
2002
広告主:日本コカコーラ(株)〜コカコーラ号〜
★3000型
1993年(平成5年)〜1996年(平成8年)にかけて製造。2000型と外見は同じですが、冷房装置がついています。
3001
広告主:野村證券
〜野村證券号〜
Rollover:旧塗装 JR北海道
スーパー北斗/スーパー白鳥
3002
広告主:(株)布目
〜布目号〜
3003
広告主:五勝手屋本舗
〜五勝手屋号〜
3004
広告主:函館競馬場
〜ターフィー号〜
★8000型
1990年(平成2年)〜1997年(平成9年)にかけて、 800型の台車を流用して改造(800型の車体更新)。
8001
広告主:函館カール・レイモン
〜Carl Raymon号〜
8002
広告主:北海道アルハ゛イト情報社
〜シゴトガイド号〜
8003
広告主:函館信用金庫
〜はこしん号〜
8004
広告主:日本航空
〜JAL号〜
8005
広告主:美鈴商事(株)
〜美鈴号〜
8006
広告主:ジャックスカード
〜JACCS号〜
8007
広告主:北海道
〜おさめ〜る号〜
8008
広告主:(株)ニューメテ゛ィア函館センター
〜NCV号〜
★8100型
2002年(平成14年)に800型807号の台車を流用して、車体更新した部分低床車。1両のみ在籍。
8101 (ノンステップ車)
★9600型
2006年(平成18年)製造の超低床式連接車。2両連結の連接車は函館市電ではこの1両のみ。
9601 (らっくる号)
★改500型
1987年(昭和62年)に、505号の台車を流用して国鉄五稜郭車両所で改造。団体専用の「カラオケ号」として運転し、2007年(平成19年)に名前を改め「AMUSEMENT TRAM」となった。
501
★花電車
はこだて港まつり用装飾車。300型の車体部分を取り除き、台車部分を利用したものです。
300型・・・ 1936年(昭和11年)自社設計(当時の帝国電力株式会社)による電車製作を計画し、函館船渠株式会社(現在の函館どつく株式会社)で製作。 戦後まで主力車両として活躍。
装1号 装2号 装3号 花電車の行列
★ササラ電車
竹の束をコップ洗いのブラシのように束ねた「ササラ」を回転させて軌道上の雪を払う除雪車。
全国でも札幌と函館でしか見られない。
旧東京市電のヨヘロ型路面電車を購入し200型として使用。その後、1937年(昭和12年)〜1939年(昭和14年)にかけてササラ電車に改造された。排3(旧244号)、排4(旧245号)の2両が現役で活躍している。
ここ近年、運用効率のいいササラトラックの登場によりササラ電車の運転回数は激減している。
排3号 排4号 ササラ電車による除雪の様子
★ササラトラック
近年、ササラ電車に代わって勢力を拡大しているのが、道路・軌道どちらも走れる軌陸車のササラトラック。
トラックや小型作業車の前面にササラ電車のような除雪装置(こちらは竹でなく樹脂製)がついており、除雪時にはこれを回転させて除雪する。
除雪時以外はササラ装置を上昇させて道路上を走行できるので、ササラ電車より効率がいい。
トラックタイプ 小型作業者タイプ