イラク人の記者がアメリカのブッシュ大統領に靴を投げつけた行為に対し、中東の街では賞賛の声が広がっています。カイロからの報告です。
最後となるイラク訪問で靴を投げつけられたブッシュ大統領。映像は瞬く間に中東全体に広がり、この行為を称える声であふれました。
「素晴らしい出来事よ。2足の靴じゃ足りないわよ。30足投げつければ良かった」
「(靴を投げた)彼は英雄、男の中の男だよ」(カイロ市民)
靴を投げた記者はその場で拘束されましたが、アラブ弁護士連合は緊急会合を開いて、「ブッシュ大統領はイラク侵攻の犯罪者だ」として、記者を全力で弁護していくことを表明しました。
「(今回の行為は)犯罪者へのイスラムの怒りを表明するのには、足りないくらいだ」(アラブ弁護士連合アシュール副会長)
この靴を投げる行為はアラブ社会で強い怒りや軽べつを意味します。フセイン政権崩壊時には、人々が銅像に向けて靴を投げつけ、過去には父親のブッシュ元大統領の顔が描かれた床を、イラク人が靴で踏んで歩く映像も残されています。
イラク各地では今、記者の釈放を求めるデモが、数千人を集めて行われています。中東の人々にとって、今回の出来事は、ブッシュ政権に対する気持ちを代弁したものとなりました。(16日03:03)