中国産のタケノコやフキなどの水煮を熊本県産などと偽装表示して販売したとして、農林水産省は16日、農産物加工卸「たけ乃子屋」(愛知県一宮市)に対して、JAS(日本農林規格)法違反に基づく改善を指示した。また、京都府など1府3県も、取引先で偽装表示に協力した4業者・団体に改善指示をした。たけ乃子屋は、協力した会社の社員をタケノコの国内生産者に仕立てるため、スナップ写真と称して撮影し、袋に印刷していた。
偽装に協力したのはは、熊本罐詰(熊本市)▽甲木(かつき)フーズ産業(福岡県立花町)▽出石(いずいし)缶詰(京都府木津川市)▽ぬながわ森林組合(新潟県糸魚川市)。
農水省によると、たけ乃子屋は07年7月から今年10月、中国などからタケノコ水煮2600トンを輸入。うち約1100トンに鹿児島産など国産14トンを混ぜて国産と偽装表示し、首都圏や東海地方のスーパーなどで販売した。
偽装表示の一部は4業者・団体に依頼。輸入した水煮527トンを一度、4業者などに販売し、熊本県産などと表示した袋などに詰め替えさせて販売額の1割増しで買い戻す「産地ロンダリング」をしていた。袋などはたけ乃子屋が用意した。
さらに、自社で偽装表示した一部では熊本罐詰の社員のスナップ写真を利用。「県竹林農家のみなさん」とタケノコの生産者であるかのように表示していた。【奥山智己】
毎日新聞 2008年12月16日 20時25分(最終更新 12月16日 20時35分)