藤田まこと ガン乗り越え「主水」で復帰
食道がんの手術を受け療養していた俳優の藤田まこと(75)が13日、5月の手術から初めて公の場に姿を見せた。復帰作となるテレビ朝日系連続ドラマ「必殺仕事人 2009」(来年1月9日スタート、金曜後9・00)の撮影が行われている京都市の松竹京都撮影所で会見し、苦しい闘病を振り返りつつ、「神さまが、復帰第一作は『主水』がいいと考えてくださったんじゃないか」とニッコリ。力強く復活を印象づけた。
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とても大病を患ったとは見えないほど、藤田の口調や足取りはしっかりしていた。
「長い間仕事を休んでおりまして…。食道腫ようというやっかいな病気の手術をしました」。生死の縁をさまよった経験も、笑顔でサラリと振り返った。
17年ぶりに連続ドラマとして復活する「必殺仕事人」シリーズ。1973年から18年にわたって当たり役・中村主水を演じてきた藤田にとっては、最高の復帰作だ。
「神さまが、復帰第一作は『主水』がいいんじゃないかと考えて下さったんじゃないかと思います。カツラの裏側を見たら、昭和62年と書いてあった。ずいぶんと古くからやってきたなあと」と、感慨深げに話した。
5月26日に、8時間に及ぶ大手術。8月末に退院し、府内のリハビリ専門病院に転院するまで、歩くことすらできなかったという。
上半身、下半身とも筋力が低下したため、ウオーキングや筋力トレーニングに励み、8キロ減った体重も4キロ戻して体力的不安を解消。10月20日の撮影所入り以来、週3日のペースで順調に撮影を消化している。
病床では「絶対にもう一度、仕事に復帰するぞという信念で頑張ってきました」という藤田。手術中に脳こうそくを併発する危機があったというが、「僕は人に縛られるのがイヤで、好きなことをやってきた。“こうそく”されんように闘いましたわ」とジョークで笑い飛ばすなど、終始絶好調だった。
「久しぶりの主水なので、今までのものとはちょっと違った、陰のある主水をやってみたい」と意気込み十分。病魔を“始末”し、よみがえってきた男は、さらに強さと深みを増していた。