仏パリ(Paris)のBroussais病院で、経口中絶薬RU486を見せる看護師(2005年10月25日撮影)。(c)AFP/MANOOCHER DEGHATI
【12月16日 AFP】イタリアで来年2月から経口中絶薬「RU486」を国内の病院で入手可能になるとの計画について、ローマ法王庁は14日、激しく批判した。この薬をめぐっては論争が続いている。
保健担当報道官のJavier Lozano Barragan枢機卿はイタリアの通信社ANSAに対し「受精の瞬間から胎児はさまざまの権利を備えた人間であり、中絶は罪のない人の命を奪うことだ」と語った。
イタリアの薬事監視機関はRU486を2008年2月から使用することを認め、市場販売に向けた最終手続きのため、次週、会合を開く。
RU486を製造しているフランスのExelgyn Laboratoriesは、この薬で妊娠7週まで堕胎が可能だとしている。
05年にRU486がイタリア国内の3か所の病院で実験的に使用された際、カトリック教会や保守派団体から抗議の声が上がった。
RU486は病院でのみ取り扱われる。いくつかの欧州連合(EU)加盟国ではすでに認可されている。
イタリアでは1978年に中絶が合法化されたが、中絶に強硬に反対するバチカンからの圧力で、医師らが「良心に基づいた忌避」を理由に人口中絶手術を拒否することができる。
最近の調査によると、良心を理由に中絶手術を拒否した産婦人科医は03-07年で58.7%から69.2%に増加した。(c)AFP
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