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新生児救急搬送:医師の3割「困難生じる」

 未熟児や重症の新生児を救急搬送する際、都府県の約3割で「困難が生じる可能性がある」と考えていることが、新生児医療に携わる医師らでつくる「新生児医療連絡会」(会長、梶原眞人・愛媛県立中央病院長)の調査で分かった。連絡会は「受け入れ先確保と共に、搬送中に集中治療ができる新生児専用ドクターカーの配備を」などと訴えている。

 札幌市で早産のため自宅で生まれた未熟児が7病院から受け入れを断られた末、NICU(新生児集中治療室)のない病院で死亡した問題が明らかになったのを受け緊急調査した。連絡会の全都道府県の代表医師に調査票を送り39都道府県が回答した(回答率83%)。

 搬送に困難が生じる可能性については、北海道などを除く37都府県が回答。うち10都府県(27%)が「可能性が極めて高い」「可能性がある」と答えた。8割は東京、大阪、愛知、宮城、福岡など大都市を抱える都府県とその隣接県だった。

 新生児の搬送では▽受け入れ先不足▽搬送先のNICU不足▽搬送中に治療できない、という問題がある。

 困難が「ない」と答えた県は「専用ドクターカーを使う」「周産期センターが搬送先探しにかかわる」と答えた割合が高かった。専用ドクターカーを導入しているのは12.8%だった。

 連絡会事務局長の杉浦正俊・杏林大准教授は「搬送先を調整するコーディネーターを置いたり、救急隊員が新生児蘇生法を学ぶなど、不十分な搬送体制を早急に補う必要がある」と話す。【河内敏康】

毎日新聞 2008年12月16日 21時06分

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