2008年11月22日
佐藤暁先生の講演
発達障害のある子の困り感に寄り添う支援 (学研のヒューマンケアブックス)
この本の著書、佐藤暁先生の講演を聴いてきました。
親の会主催の講演だったので、
手伝いの名目で、無料で講演が拝聴できたのが良かったな。
実はこの日、
子どもたちは、何をしていたのかというと、
いつもなら、留守番させておくところなのですが
「青少年科学館に行きたい」
という息子のリクエストに応え、
子どもたちは、子どもたちだけで科学館に!
そして私は、講演に!
大冒険でしょ?(^∀^)
息子も
「ひさびさの一大イベントだ!」
と、張り切って妹連れて出かけました。
本来、一人で地下鉄に乗ったり
JRで、おじいちゃん宅(旦那側の)に行ったり
というのは、今までも経験のある子です。
心配だったのは、引越ししてから
親抜きで行動させたことがなかったことと、
妹連れでの行動。
この2つが、心配の種でした。
本人たちに確認したところ
二人とも、できる!やりたい!やれる!
の返事でしたから。
それなら、と実行させました。
ここで、船長からのアドバイス。
子どもだから
発達障害だから
出来ないだろう やれないだろう
なんて、あまり大事大事にしすぎないでください。
子どもたちには、どんどん挑戦させてください。
本人たちが、やる気ならば、なおさらです!
ワンランク上のことにチャレンジして
成功したならば
それは、彼等の自信になります。
さて、佐藤先生の講演でのお話しは
「障害・障害の特性は治せなくても 『困り感』は、軽減させることができます。
私たちのすべきことは
障害だから しょうがない と、何でも障害にあてはめて決め付けることではないく、
彼等の困り感を少なくさせていくこと。
次にどうしたらよいかわからないから、動けないのは
どの子も同じなのです。
うまくいかないときは、説得するより 練習 させることです」
というものでした。
つまり、言葉でなんぼ説明するよりも、
させてみて、経験させ
成功体験をつけさせて覚えていく
ということだと思います。
絵カードも、やるべきことをさせるために使うのでは
彼等も「書いてあるからやらなきゃ…」という義務感ばかりに縛られ
ちっとも楽しいとは感じられなくなります。
やるべきことを絵カードで示すのではなく、
やったあとの結果、楽しい事が待ってるよ という
先の楽しい見通しをカードで提示してから
「その前に時間があるからこれをやっておこうか?」
と、そのあとでやるべきことを提示しよう。
というものでした。
これに関しては、
会場で、売られていた本をちょうど買ったのですが
自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心
東田直樹くんの本にも
似たようなことが書かれていました。
(東田直樹くんの、筆談は物議かもしたことがありますが
読む分にはとても参考になります。読みやすい本です。)
これによると、視覚的にスケジュールを示されるのは
パニックの原因になるというものでした。
たしかに、あらかじめスケジュールを教えてもらえるのはいいのですが
でも、今度はそのスケジュールを守ろうとすることに
神経が集中してしまって、逆にスケジュールを遵守しすぎようとし
少しでもスケジュールからずれてしまうと、パニックを起こしてしまう。
また、講演の中で、
ムービーを観せていただいたのですが
自閉の子、ダウンの子、定型の子
障害のある子と、健常の子をいっしょに遊ばせるというものでした。
たしかに、健常の子はなにをやっても
あっさりすっきりで早い。
でも、時には障害のある子に刺激されて
自分の考えを導き出せるときもあり
障害のある子、自閉の子も
健常の子が、モデルを示してくれることで
同じことができる…
というものでした。
この映像を見ても…
ああ、息子はやっぱり
養護学校より、普通級の方でもいんじゃないかな?
単に、一方的に支援を受け
一方的に定型の子にお世話になる
というわけじゃないんだし
対等に関わっていくことで、お互い刺激になることなんじゃなだろうか。
その方が、彼にとって学ぶことが多いんじゃないだろうか…。
とも思えたのでした。
講演が終わった後、
子どもたちが心配でしたが
ちょうど子どもたちからの電話が来ました。
本当は、講演のあるホテルまで、二人で来るのが
最初の約束だったのでしたが
あたりはすっかり暗くなっていたし
私も、明るい中で行きは迷ったものですから
「お母さんもそっち向かうから、
そっちから歩いておいで合流しよう」
ということにしたのでした。
最初は、ホテルまで行く が、本人も目標だったもので
物足りなさそうでしたが
暗くて迷ったら困るということを説明すると
納得してくれたようです。
二人だけで科学館で遊んできたのは
とっても楽しかったようです。
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この記事へのコメント
素晴らしいブログ、ありがとうございます。
読んでいて、とても、力を頂きました。
さて、上述の「自閉症の僕が跳びはねる理由」ですが、
まさに、目にウロコでした。しかし、心の片隅では、
「本当に本人が書いたの?」とも、思っていました。
今、深く、反省しています。
実は、先日(11/16)の東田直樹君の講演会に行ってきました。
彼は、その時、一切介助を受けず、自力でパソコンを打って、
講演をしてくれました。キーボードを打つ様子と、
打ったパソコンの文字が同時に、映像で写し出されました。
その内容たるや驚くべきもので、
私が尊敬する諸先生が、一字一句漏らさぬように、
必死でメモを取ってらっしゃる程でした。
また、質疑応答にも、その場で、驚嘆すべき示唆に富んだ
回答をしてくれました。
汗をかきながら、必死で言葉を紡ぐ直樹君。少しでも、「自分で書いたの?」
疑った自分を恥ずかしくなりました。
とにかく、一度、彼の講演を見ていただければ、ご本人の言葉であることは、だれでも、納得できると思いました。
> 素晴らしいブログ、ありがとうございます。
> 読んでいて、とても、力を頂きました。
いえいえ、こちらこそ読んでいただいて
とてもうれしーです。
> 「本当に本人が書いたの?」とも、思っていました。
私も読んでいて何度か疑ってしまいました。
自閉症抜きにしても、とても中学生の文章とは思えません。
ただ、素晴らしく計算が速い自閉症当事者とか
見たものをそのまま描ける自閉症当事者とか
そんなサヴァン的な能力が
文章方面でそなわってる子なのかな?
頭の中の言葉を
文字なら取り出すことにスムーズな子なのかな?
(私ももの書きなもので、そのイメージはわかる)
とも、思えました。
> とにかく、一度、彼の講演を見ていただければ、ご本人の言葉であることは、だれでも、納得できると思いました。
ああー、是非一度見てみたいですね。
(講演を見る…というのも、おかしなものですが)
うちの息子に、爪の垢を煎じて飲ませたいわ…。
これからもまた、遊びにいらしてくださいね。
ございます。
直樹君の講演会、機会があれば、ぜひ、
御覧下さい。
素人の私が言うのは何ですが、本当に、
世界が変わります。
今後とも、よろしく、お願いいたします。
> 世界が変わります。
著書を読むだけでも、なんだか世界が変わるというのが
わかる気がします。