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イラク人記者靴投げ付ける 「犬野郎」と米大統領に '08/12/15

 【カイロ15日共同】ブッシュ米大統領は十四日、イラクの首都バグダッドを訪問、マリキ首相と臨んだ記者会見で、イラク人記者から「犬野郎」と罵声ばせいを浴びせられ靴を投げ付けられた。大統領は危うくかわしたが、来月の退任を控え任期中最後とみられるイラク訪問で、イラク人の根強い反米感情を見せつけられた形となった。

 大統領はイラク政府や駐留米軍高官との会談後、イラクの治安改善や、イラク側が先に正式承認した米軍地位協定の成果を誇示するため記者会見に臨んだ。バグダッドからのテレビ映像によると、記者席の前列三番目に座っていた男性記者が突然立ち上がり、大統領に一足の靴を一つずつ投げ付け、大統領は身をすくめてこれをかわした。

 男性記者はアラビア語で「これが別れのキスだ、犬野郎」とどなりながら一つ目を投げ、二つ目を「(米軍の攻撃で)夫を失った女性、親を失った子供たちからの贈り物だ」と叫びながら投げ付けた。記者はすぐに警備要員らに取り押さえられ、会見場の外に連行された。靴底はアラブ社会で最大の侮辱を意味するとされる。

 大統領は「皆さんにお伝えできるのは、靴のサイズが10だったということかな」などと得意のジョークで場を収めようとしたが、取り繕った笑みはこわばっていた。

 大統領はまた、マリキ首相とともに駐留米軍の地位協定署名式に参加した。大統領のイラク訪問は四回目で、二〇〇七年九月以来、約一年三カ月ぶり。

【写真説明】14日、イラクの首都バグダッドで、記者会見中に投げ付けられた靴をかわすブッシュ大統領(左)のビデオ映像(AP=共同)




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