中国共産党、儒教重視の政治体制模索
「米国の政治体制が今後数十年で変わる可能性はほとんどない。しかし、中国の政治的な未来は開かれている」
北京にある清華大学で政治哲学を講義するカナダ出身のダニエル・ベル教授(オックスフォード大哲学博士)は最近出版した著書『中国の新たな儒教』で「衝撃的な」見通しを示した。中国の政治体制が今後「マルキシズム」を捨て、儒教を土台にした体制に向かうとの内容だ。
中国共産党の幹部教育機関である中央党校で党の戦略と進路を担当する趙虎吉教授も彼の見方に同意した。趙教授は「今月18日に改革解放30周年を迎える中国共産党は現在、価値の問題をめぐり悩んでいる」と話した。趙教授は「これまで追求してきた『特色ある社会主義』とは何であり、今後中国が追求すべき大国としての普遍的価値は何であるべきかを考えている」という。
30年前の1978年12月、中国は毛沢東が率いた理念の時代からトウ小平が率いる改革開放の時代へと転換した。同年12月18日から22日まで開かれた第11期中央委員会第3回全体会議(第11期3中全会)で中国共産党は経済改革と対外開放政策を取ることを決めた。実権者も毛沢東が指名した華国鋒から波乱の政治人生を歩んできた「小さな巨人」のトウ小平に変わった。その後の中国は30年をかけ、皆が貧しい社会主義の人民共和国から貧富の差こそ大きいが2兆ドル近い世界最高の外貨準備高を誇る経済大国へと変身した。
1978年の第11期3中全会は、日本の明治維新と同様、中国が現代史に入った基準線となった。中国人自らが「初級段階」と規定した社会主義が「高級段階」に発展した現在、中国共産党の指導者と知識人は既に「儒教社会主義」または「儒家社会主義」という用語を使い始めている。中国が驚異的な経済発展を基に国際社会に示すべき、もっとも中国的かつ普遍的な価値はやはり儒教しかないというのだ。
儒教社会主義は胡錦濤国家主席の母校である清華大の汪暉教授や崔元之教授らいわゆる「新左派」の知識人の支持を集めている。トウ小平、江沢民に続き、改革開放時代の第3走者となった胡錦濤主席が2002年の就任からスローガンとして掲げる「和諧(調和)社会」と「以人為本(人間本位)」もその延長線上にある。イデオロギーとしての儒教は、私よりも公と大同を重視する。
北京=朴勝俊(パク・スンジュン)特派員
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