前橋赤十字病院の建て替え問題を巡り前橋市議会は15日の教育福祉常任委員会(阿部忠幸委員長)で、病院周辺の住民から提出されていた移転反対の請願書を17日の本会議で採択することを、賛成多数で決めた。同病院についての建て替え検討審議会は、現地建て替えか移転新築か結論を出しておらず、同様の請願が出された県議会厚生文化常任委員会では継続審議を確認している。市議会本会議では賛成多数で請願が採択される見通しで、審議会の結論を待たず、市議会が事実上の移転反対を表明する異例の事態となる。
教育福祉常任委では前光クラブ(4人)▽フォーラム前橋(1人)--の2会派が継続審議を訴えたが、清新クラブ(2人)▽公明党(1人)▽共産党(2人)▽真澄会(1人)--の4会派が本会議採択に賛成した。
建て替えを巡り病院側は、県や市に建設費の一部負担を求めていく考えを示している。前光クラブの市議は「請願の採択は病院側に圧力をかけることなるのでは」と懸念する。
一方、清新クラブの市議は来年2月に市議会が任期満了を迎えることを強調したうえで「今、採択しないと任期後は審議会に地元の声が届かない」と話した。【杉山順平】
毎日新聞 2008年12月16日 地方版