厚生連が初の自己破産、病院などは継続へ
島根県津和野町で「津和野共存病院」(99床)など医療・介護4施設の運営を指定管理者として受託してきた同町の石西厚生農業協同組合連合会は12月12日、松江地裁に自己破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けた。帝国データバンクの調べでは、負債総額は約8億600万円。全国39の厚生連が所属する全国厚生農業協同組合連合会によると、厚生連の自己破産は「過去に例がない」という。
【関連記事】
春日井市の介護業者に破産開始決定―名古屋地裁
医療系の情報機器業者が自己破産申請
富士バイオメディックスが民事再生法申請
仙台市のドラッグストア経営会社に破産開始決定
病院向け通信機器販売会社 自己破産申請へ
石西厚生連が津和野共存病院のほかに運営してきたのは、「日原診療所」、介護老人保健施設「せせらぎ」、訪問看護ステーション「せきせい」。
4施設は現在、破産管財人の下で事業継続している。石西厚生連や津和野町によると、このうち日原診療所の運営は、同町などが出資して設立した医療法人「橘井堂(きっせいどう)」が来年1月1日から引き継ぐという。また、津和野共存病院など3施設については来年度以降、橘井堂が引き継ぐ見通しだ。
津和野町は今年3月、石西厚生連への救済策の一環として、施設の土地・建物・設備などを約13億円で買い取った上で、指定管理者として石西厚生連に施設運営を委託する公設民営方式に切り替えた。しかし、支払退職金の資金が不足するなど、石西厚生連の財政はその後も厳しい状態だった。
関係者の話では、こうした中で給与の引き下げ案を提示した今年夏以降、看護師らの退職が相次ぎ、今後の運営見通しが立たなくなった。
津和野町などによると、自己破産の方針は12日に患者や家族に伝えられており、特に混乱は生じていないという。
石西厚生連の職員が橘井堂に再雇用されるかは決まっていないというが、同厚生連では「再雇用を全力でお願いしていきたい」と話している。津和野町も「医療従事者は不足しており、再雇用を最優先で検討したい」としている。
更新:2008/12/16 15:22 キャリアブレイン
新着記事
厚生連が初の自己破産、病院などは継続へ(2008/12/16 15:22)
患者の氏名を確認しても取り違え3件(2008/12/16 11:47)
春日井市の介護業者に破産開始決定―名古屋地裁(2008/12/15 18:54)
注目の情報
PR
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
全国10か所の厚生年金病院が今年10月1日、社会保険庁から独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に出資された。同機構は、政府・厚生労働省が決める方針に基づき、2010年10月までの2年間で統廃合を含めて各病院の整理を完了することになっており、患者や住民を中心に公的病院としての存続 ...
患者に寄り添う看護に重点医療法人社団昌栄会「相武台病院」(神奈川県座間市)24時間保育でママさん支援 厳しい労働実態から離職率が12.3%に達するなど、看護師の確保・定着が看護現場の重要な課題になっている。こうした中、神奈川県座間市の医療法人社団昌栄会相武台病院では、組織を挙げて働きやすい職場づくり ...
WEEKLY