パイプカットしたからそのままで大丈夫♪…のはずが、みるみるうちにお腹がポッコリ。院長が疑ったのは浮気だった。
訴えによると、夫は2005年、宮城県内のクリニックでパイプカットの手術を受けた。時は流れて、今年2月。なんと妻の妊娠が判明した。なんで? 夫妻が院長に聞くと、驚がくの答えが返ってきた。
原告側によると、院長は夫に「今度の妊娠は99.9%あなたとの間の子ではないから妻に問いただしなさい」とズバリ指摘。さらに妻にも「夫以外の男性との間での妊娠しか考えられない」と“直球”で話していた。
夫から不貞行為を疑われた妻は、身の潔白を証明するため6月に出産。そして運命のDNA鑑定。結果、生まれた子は夫妻の子であることが分かった。もちろん、夫妻はカンカン。院長に1900万円の損害賠償を求めて訴訟を起こしたのだ。
院長側は手術のミスを認めており「これまで慰謝料として300万円を払っているので、これ以上の額は出せない」とコメントした。
パイプカットは自然な性生活が得られる男性避妊法で、数ある避妊法の中でも最も確実とされる。手術も20−30分と簡単で、性感や射精感も損なわれないという。
類似する裁判としては1996年に山口地裁岩国支部で行われたケースがある。パイプカットの2カ月後に妻の妊娠が判明。夫の体内に精子が残っていることがわかり中絶手術を受け、夫妻が病院側に計約540万円の損害賠償を求めて訴訟を起こした。
同支部は判決で手術ミスが原因とする原告側の主張は退けたが、手術直後に避妊措置をとるよう説明を十分尽くさなかったと認定。病院側に対し夫妻に各55万円を払うよう命じている。