むすぶ つなぐ

16年目の新聞記者。何とな〜く大事だと思うことを時に脱線しながら・・・

こだわり

今年の新聞協会賞が先日発表された。
編集部門で受賞したのは「アスベスト被害一連の報道」。
受賞者は毎日新聞大阪本社科学環境部の大島秀利編集委員。

新聞記者はみんなサラリーマン。部署や担当がコロコロと変わる。
ひとつのテーマを続けて追いかけていくのは容易なことではない。至難の業だ。
大島記者は10年以上前からアスベスト問題をコツコツと粘り強く追いかけてきた。
阪神大震災直後の被災地で、既に問題にしていたのを指摘していたのを今も覚えている。
近年になりようやく他のメディアも追随するようになり、時代が追いついた。

×   ×

新聞記者は、たぶん一番自慢が大好きな人種かもしれない。
「俺はこんな事件をやった」「大変だったあの時、俺は・・・」
残念ながらこの手の「特ダネ」話の大半には誇張が含まれ、時に妄想?も含まれている場合が多い。
特に誰もが知っている大事件や政局などを引きあいに出した時は要注意だ。
つまり、ま・ゆ・つ・ば ?


それでも、業界には「本物」を追いかけている人間も少なくない。そんな人らの大半は、決してひけらかしたりはしない。
もちろん、だれもが知っている事件や事象が持つ「権威」にはすがらない。
その人しか持っていない真の「こだわり」は、俗世間的な権威を必要としないからだ。

こだわりの裏にあるゆるぎない自信なんだろう。
うらやましい・・・。ほんの少しでも糧にしたい。

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スペインよいとこ?

「逆ギレ男」のおかげで、永田町周辺をウロウロしたり、ホテルのロビーで棒のように立ったりする日々。

なんか楽しいことはないんか?と思い、自民党本部の前で、地図を片手にぼんやり立っていた外国人のにいちゃんに話しかけた。
旅行中の20歳すぎのスペイン人で、Tシャツにサンダル姿。
何やら歩くのが好きで、連日東京中を歩きまわっているらしい。
単なる遊び人?かと思いきや、僕が自分の仕事を紹介すると、急にスペインの政治について語り出した。
「おれんとこの国の政治はもうダメだわ。格差は広がるばかりだし、失業率は20%以上(?)・・・。また、国に戻ったら報告するから、記事に書いてくれよ」

ニコニコしながら政治への不満をさわやかに語っていた。
人の国のことながら実感がこもっていた気がした。格好いい。
メールを待とう!

  ×   ×

「あなたとは違うんです」がブームの予感。
流行語大賞との声も。
福田首相の顔をあしらい、このメッセージを盛り込んだTシャツも売れているとか。

週刊誌では、この言葉を引き出した記者にも注目。
長く政治の取材にかかわっていない記者だから質問できたとの分析も。
普段は被爆者問題や美術関係も並行して取材している記者だ。

どっぷり浸かったからこそわかることもある。けれど、一定の距離を保つ勇気、信念も必要なんだろうと思う。
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そして何も変わらない・・・?

アフガニスタンで亡くなった伊藤和也さんが所属する「ペシャワール会」は、日本人全員を現地から引き揚げることを決めた。苦渋の決断。
しかし、日本人が狙われる原因をNGO自身が作ったのだろうか。
米国と同一視されるような流れを作ったのは一体・・・。


「ペシャワール会の中村哲さんは(給油支援を定める)テロ特措法に以前から否定的だ。伊藤さんが亡くなったことを受けて、軌道修正はないのか」
先日、外務省幹部に記者会見で質問した。答えは以下。

「給油活動は国際社会に高い評価を受けているのは事実。国際社会全体としてテロとの戦いをやめるわけにはいかない。国際社会の一員として責任を果たすと考えている。もちろん伊藤さんが亡くなったのは痛ましい事件で残念。それについてはアフガンの在留邦人の安全をさらに期する努力をしなければならない」

「テロとの戦い」。勇ましい言葉ほど時に判断能力を失わせる。そう感じた。


  ×  ×

<関連情報>

■「アフガン日本人殺害」緊急集会

「ペシャワール会」の伊藤和也さんがアフガニスタンで殺害されました。
この事件の意味を問う集まりを開催し、危機にさらされながら仕事をするNGOやジャーナリストの役割を再認識し、伊藤さんを偲ぶ機会にしたいと思います。


・9月4日(木) 午後6時30分開場 6時45分開演 (午後9時閉会予定)

会場:明治大学お茶の水校舎リバティタワー 地下1001教室
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

会費:700円 (予約不要・先着順に受付)

※定員267名を超えた場合は会場の都合により、ご入場を制限いたします。
あらかじめご了承ください。


【発言者】(敬称略)

・伊勢崎賢治(東京外語大大学院教授)
・石山永一郎(共同通信社編集委員)
・白川 徹 (ジャーナリスト/アジアプレス所属)
・長谷部貴俊(JVCアフガニスタン代表)
・ピースウィンズジャパン(発言者未定)

司会:広河隆一(「DAYS JAPAN」編集長/JVJA会員) 

主催:DAYS JAPAN http://daysjapan.net/
   JVJA(日本ビジュアル・ジャーナリスト協会)http://www.jvja.net/
   現代史研究会

※発言者は事情により変更する可能性がございます。あらかじめご了承ください。



【発言者のプロフィール】

・伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院教授)
元アフガニスタン武装解除日本政府特別代表。元国連シエラレオネ派遣団武装解除部長。

・石山永一郎(共同通信社編集委員)
共同通信マニラ支局長、ワシントン特派員などを経て、08年から戦争と平和
をめぐる連載企画でイラクからの米帰還兵、劣化ウラン弾、アフガニスタンなど
をテーマに取材。6月末にペシャワール会の活動現場も訪問。

・白川徹(ジャーナリスト/アジアプレス所属)
2006年からアフガニスタンを取材。今年2月〜3月にアフガン東部の米軍基地などを取材。

・長谷部貴俊(日本国際ボランティアセンター・アフガニスタン代表)
JVCは01年からジャララバード周辺での医療などの支援活動を展開。8月に2週間現地を視察した。

【お問い合せ】
DAYS JAPAN 03-3322-4150 kikaku@daysjapan.net
JVJA事務局  090-6101-6113  office@jvja.net






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逆ギレ首相

結局、大きな決断をしたのは、自分の辞任だけだった。

記者会見の最後には記者に逆ギレ・・・。
「あたなとは違うんです」
いくら繕っても追い詰められると、人間の本質は出るんだなあ。

「名言」を引き出す質問をした記者は、学生時代からの友人だった。
ネット上で評判に。えらい!

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<関連記事>

「『ひとごとのように』とあなたはおっしゃったけどね
、私は自分自身のことは客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」。ふだん感情を表に出すことの少ない福田首相が、辞任会見の最後の質問で、珍しく気色ばんだ。

 この答えを引き出したのは中国新聞の男性記者。「総理の会見が国民にはひとごとのように聞こえる。辞任会見もそのような印象を持った」という質問だった。

 この記者は、朝日新聞の取材に「会見での首相の語り口を聞いていたら、まさに『ひとごと』という言葉通りだなと感じた」と明かす。首相の熱意のなさを批判する時にしばしば聞かれる「ひとごと」というキーワードを最後の最後にぶつけてみようと、あえて厳しい質問をしたという。

 この夜の会見で首相は、自身の不人気ぶりを自ら皮肉るように語った。国会運営の難しさを語る際には、「私の場合には内閣支持率の問題があるかもしれない」とあえて支持率に言及。消費者庁構想など成果を語る時も「目立たなかったかもしれないが……」とグチめいた口調だった。

2008年9月2日 朝日新聞 朝刊
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