むすぶ つなぐ

16年目の新聞記者。何とな〜く大事だと思うことを時に脱線しながら・・・

虫の目

新聞や雑誌で、筑紫哲也さんの追悼が目立つ。
筑紫さんは、雑誌「週刊金曜日」で編集委員を務めていた。
当然ながら今週号はオバマと並び、追悼特集だった。

「視点」がユニークだったり、特別な説得力があったわけじゃないと思う。
やっぱり魅力は「視線」の違いなんだろう。
上から物を語るのは簡単だけれど、その逆は何倍も困難が伴う。

  ×   ×

目立たなくても視線が低い「虫の目」で闘っている人たちはたくさんいる。
(週刊金曜日11月14日号、巻末「市民運動案内板」より)


◆京都大学11月祭
 11月23日(日)13時半、京大吉田南総合会館共南21講義室
   講演会「虫の目で見たイラク、イラク戦争の今」
    講師:アジアプレス、玉本英子さん  参加料300円

 問い合わせ:ピース☆ナビ(080−6153−6308)
 22日〜24日は、劣化ウラン企画写真展「ウラン兵器なき世界へ」も開催


 フリージャーナリストの玉本さんは繰り返しイラクに入り、今春にも首都バグダッドやイラク北部モスルで取材。普段は、少ししゃべりすぎ?だが、普通の人……。
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A Hard Days Night

心が亡くなると書いて、「忙」しい。
受け売りだけど、本当にその通りだなあ。

どれだけ時間をかけて働いているか……はあんまり問題じゃない。
前向きで、回りのことを考えながら、働けているうちは、長く仕事をしていてもあまり感じない。

けれど、現実には、そんな働き方ばかりはなかなか続かない。
油断していると、知らない間に後ろ向きになって、自分のことで精一杯に。
いろんな人から頼まれごとやお願い、お誘い……があっても、つい後回しになってしまう。


17日は夕方からつい先ほどまで、10時間強の座りっぱなし夜勤。
その合間にインタビュー取材をはさみ、夕食にカレーライスをかきこんで、なんだか未明までバタバタ……。
忙しかったような、充実していたような。
単に時間を「消費」しているだけなのか、何かを「蓄積」しているのか。


  ×  ×

40年前、ビートルズも歌っている。

「ああ〜、ほんまに大変な日やった。犬のように働いて、丸太のように眠る……」
それでもその先に「何か」があれば、やっていける。

◆The Beatles  A Hard Day's Night


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来年こそ

忘れないでいることの大切さ……。
いろんな活動をしている人たちから時折連絡をもらい、はっと気づかされることがある。

ヨルダンの首都アンマンで、イラクの子どもを支援している西村陽子さんもそんな1人だ。
先日、メールをもらった。

イラクでは、紛争による混乱で医療事情が悪化。
隣国ヨルダンに避難し、病気の治療を余儀なくされている子どもがたくさんいる。
なかでも、劣化ウラン弾の影響とみられる小児がんの子どもたちの苦しみは深刻だ。
世界の関心はイラクからアフガンに急速にシフトしているが、何も解決はしていない。
けれど、日々いろんなニュースに接していると、どうしても忘れかけそうになる。

西村さんは、青年海外協力隊の経験を通じてヨルダンとの縁ができ、イラク戦争以前から「アラブの子どもとなかよくする会」で活動。
さまざまなキャンペーンも通じ、医療支援を呼びかけている。

オバマ政権が始動する来年こそ、イラクに安寧が訪れるように……。
そんな願いを込めて、09年のカレンダーはどうでしょう?
売上は患者の子どもやその家族の生活費にあてられます。

  ×   ×
 
◆◆がんの子どもを支えるアファーク・プロジェクト◆◆
    〜 手作りカレンダー2009 〜

ヨルダン・アンマンよりアラブの子どもとなかよくする会西村陽子です。
お元気でいらっしゃいますか?
昨年に引き続き、ヨルダンのキングフセインがんセンターで治療中の、イラクのがんの子どもたちとその家族が手作りしたカレンダーができあがりました。皆様からのご注文を心よりお待ちしています。

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○布製壁掛けカレンダー B5判(写真 1−4)  1000円
 イラクのがんの子どもとその家族が絵や日付を書き、印刷・縫製などすべて手作業で仕上げました。
 イラクの生活を題材にした、小さな人形つきのカレンダーです。
(4種類、各種75部限定)

○封筒入りカレンダー  B5判(写真 5) 500円
 子どもたちの絵とエピソードを12ヶ月のカレンダーにしました。
 手作りの丸窓付き封筒入りです。(300部限定)


カレンダーの写真は下記に載せてありますので、ご覧ください。
(アファーク・プロジェクトのボランティアのブログです)
http://blog.livedoor.jp/mana25/archives/50046606.html

カレンダー作成の様子が、下記から見ることができます。
http://blog.livedoor.jp/mana25/archives/50046607.html

       
お名前・送り先・カレンダーの種類と数量をお知らせください。
振込用紙を同封いたしますので、カレンダーが到着したら、
代金と送料のお振込みをお願いします(5000円以上送料無料)。
11月30日までにお申込いただいた場合、12月10日頃までに宅配メール便にてお送りします。
お急ぎの場合はご連絡ください。

♪製品はすべて手作りのため、布の色やデザインが写真と若干異なることがあります♪

■お申込・問合せ 
メール:afaq@zav.att.ne.jp 
Fax:0422-44-0364 (アラブの子どもとなかよくする会 谷島方)
   
           ★アラブの子どもとなかよくする会 西村陽子

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新聞記者に……

アフガン国境に近いパキスタンで、朝日新聞の記者が何者かに銃撃を受けて負傷した。
命に別条はなかったのが幸いだ。

本当に危険な場所での取材経験はないけれど、04年春、陸上自衛隊が派遣されたイラク南部のサマワへ。
サマワの町自体はかなり平穏だったが、滞在期間中、バグダッドで日本人3人が拉致され、にわかにピリピリ。
結局短い期間で取材を終えるはめになり、隣国クウェートに避難した。
その時の消化不良感は今もひきずっている。

  ×   ×

2カ月前、父親が亡くなった。
頑固で無口。息子への心配や励ましなどほとんど口にしない人だった。
ただ、亡くなってから父の元同僚に聞くと、意外に息子のことを気にかけていたようだった。
「息子がイラクに取材に行くんだ。自分で希望したみたいだ」
4年半前にはそう話していたらしい。

父は技術系の会社員で、自分とは方向性も違う。
人生や仕事について深く話す機会もなかった。
ただ、晩年にひとことだけボツリと言ったのを覚えている。
「実は俺も新聞記者になりたかったんだ」

全く唐突で意外な一言だった。
何を伝えたかったんだろうか。
真意を聞かなかったのを悔やんでいる。
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ネットの功罪

「闘う女性」の一人がネットの悪意について話していたのを聞いて、確かめてみた。
匿名性に隠れた悪意の増殖、凝縮、攻撃性……。

自分の記事が取り上げられ、何度か批判めいたことを書かれたことがある。
どんな意見も自由だけど、匿名による攻撃はやっぱり卑怯。
言いたかないけれど、その大半は男だ。

 ×   ×

最近、時間ができると「You Tube」に浸かってしまう。
後輩記者の一人は、キョンキョンの昔の映像を引っ張りだしてはニンマリしているらしい。

いろいろ見ているうちに、やっぱりどんどん時代は遡る。
中学生の時、「BEATLES」にはまった。
金もないし、情報もない。レンタルレコードすら普及してなかった。
友達からレコードを借りたり、たまにラジオを録音したり……。
なんだか必死にやっていたことが、今は簡単にできてしまう。

ネットの功績は手放せない。そこが難しい。


◆隠れた名曲「The Beatles- And Your Bird Can Sing」



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闘う人たち

充実した半日だった。
泊まり明けの寝不足を押し、昨日の午後はいろんな「闘う人」に会った。
完全に眠気が吹き飛んだ。
(その分、翌日は爆睡……起きたら昼だった)

今月下旬にブラジルで児童買春・児童ポルノ問題の国際会議があるので、長年取り組む女性に話を聞きに。
金にものを言わせた買春ツアー、「品質」の高さを売りにしたポルノ・アニメの生産、輸出……。
日本は今も完全な当事者だ。
取材を受けて新聞などに厳しめのコメントが載ると、すぐに脅迫めいたことをネット上に書かれるという。
体を張って闘っている。

夜は、アジア各国のジャーナリストが集まる会合へ。
無秩序な開発に対抗して環境問題の大切さを訴えるパキスタンの女性記者、民主化に向けて山間を駆けずり回り書き続けるブータンの男性記者……。
「闘う記者」がたくさんいた。

  ×   ×

深夜、海外経験が豊富な先輩記者とコハク色の液体を飲みながらしばし……。
紛争地での衝撃や海外取材の刺激、得られる精神的豊かさをたっぷり聞かせてもらったが、ひとつも自慢めいたことは言わない。
現在の職場は、抜群に居心地がいい。
何よりもデスクも含めた先輩記者がだれも威張らないからだ。
これまでの職場にたまに見かけた、保身や姑息さが目立つ人、下に責任を押し付ける人、背伸びしようとする人……などは一切いない。

「海外に行くとわかるけど、記者なんて最後は一人なんだし……」
本当に闘っている人は、気持ちがいい。
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オバマ(米)とオバカ(日)

マンガ好きを自慢し始めたころから心配だった。
予想は的中。
麻生太郎首相が連日、国会などで漢字の読み間違いを繰り返し、おバカぶりを露呈。
ネット上では、これまで支持していた若者層からも「俺よりバカ」とあきれられる始末だ。

踏襲を「ふしゅう」
頻繁を「はんざつ」
未曾有を「みぞうゆう」
有無を「ゆうむ」
詳細を「ようさい」……

う〜ん、小学生高学年でも、全部読み間違えるのは難しい。
「羞恥心」はたぶん高度すぎて、読めないんだろう。
歴史的な名演説をしたオバマ氏との対比が際立ちすぎてしまう。

  ×   ×

今年5月、横浜であった「第4回アフリカ開発会議」(TICAD)を取材した。
「アフリカ通」を自称する森喜朗元首相が、各国の首脳を紹介する時、何度も国の名前を読み間違え、失笑を買った。
細かく覚えていないけれど、カメルーンのことを「カルメーン」みたいな感じの間違いを連発していた。
それも笑いながら……。

国の名前を間違えるって、相手国にとってどれだけの侮辱だろうか。
少なくともかなり上から目線で見ていることがよく伝わってきた。
真面目にアフリカ支援なんて考えていないんだろう。
なんだか恥ずかしくなった。

オバマを選んでいるのも国民。
間接的ではあっても、おバカな首相を選んでいるのも……。


◆麻生総理 河野談話を「ふしゅう」


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まだらな紅葉

ほどよく色づいた日比谷公園の紅葉を眼下に眺めながら、久々にうまい昼飯だった。

某省庁の最上階のレストラン。
一緒だったのは、高校時代からの友人で、ほぼ20年ぶりに最近会うようになったK君。
高校は違ったが、陸上競技をきっかけに仲良くなった。
当時は、レースで自分の記録が伸びるたびに、他校の選手に少しずつ認められるようになり、同じ地域の高校に友達が増えて行った。
それが何よりうれしかった。

K君とは、なぜか浪人時代に同じ予備校で“合流”し、そこでもライバルに。
違う大学に進み、互いに陸上を続けたが、その後はほとんど音信不通になった。

ところが、最近、後輩記者が取材でK君のもとを訪ねたのがきっかけで、近況がわかった。
着実にキャリアを重ね、某国立大の准教授に。
地球温暖化問題では、政府や自治体、メディアから引っ張りだこの若手のエースになっていた。

互いの仕事の話は少しだけで切り上げ、大半は高校時代の話に。
20年くらい前の話って、適度に“熟して”いて、一番楽しい。
華やかな色ばかりじゃないけれど、なんとな〜く気分が落ち着く。
都会のまだらな紅葉にも似ている。

あのころって、何であんなに密度が濃い時間を送れたんだろう……。
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I have a dream

先日、久々にちょっとした英文翻訳の仕事が回ってきた。
オバマ当選を受けた米国の反応をテーマにしたエッセイで、いつものように辞書とにらめっこしつつ四苦八苦!

さらに、米国の黒人の歴史をいかに知らないかを思い知った。
マーチン・ルーサー・キングにジェシー・ジャクソン、ジョン・ルイス……。
文中に、次々に黒人運動家が登場し、それぞれ細かい歴史が散りばめられている。

いろんな年代や地名が当たり前のように書かれていて、すべて確認して補足しないと訳ができない。
というわけで、米国の黒人公民権運動の歴史を「超特急」で勉強することになった。

最近は、電子辞書が当たり前だし、ネット上でもちょっとした辞書以上の語意や文例も出ている。
機械的な訳ならかなりお手軽にできる。
ただ、そこからが難しい。
背景を理解し、どこまでこなれた日本語にするか。

12日夜、NHKでマーチン・ルーサー・キング牧師の特集をやっていた。
「I have a dream!」
歴史的な名演説を残し、黒人の人権獲得に大きな力を与える転機を作った指導者が、凶弾に倒れたのは39歳だった。

まもなく同い年を迎える私……。
ちょっとした英文翻訳にモジモジ?している場合じゃないよなあ。

◆I have a Dream Speech



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あなたとは……

今年も流行語大賞の季節が近づいてきた。
学生時代からの友人の記者の質問がきっかけで、福田康夫首相が逆ギレして発言した「あなたとは違うんです」がなんと候補のひとつに!
なんだか自分のことのようにうれしい(笑)

権力者と報道陣の質疑の大半が「予定調和」で成り立っている霞が関・永田町かいわいの現状はやっぱりどこかおかしい。
そんな中、先の名言(迷言?)を引き出した記者の功績は大きいと思う。

大賞に輝いたら、賞金は福田首相というよりは、引き出した記者にあげるべきでは。
そうすれば、お祝いで思いっきり飲みに行ける!
発表は12月1日。ああ〜楽しみだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081111-00000087-san-soci
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11月の雨

それにしてもいくら何でも早すぎる!(怒)
まだ1カ月以上あるのにクリスマス・ソングがかかり始めた。
ワムやマライア・キャリーの聞き飽きた歌声があちこちから聞こえてくる。
もともと性格が天の邪鬼なんで、人にせかされて季節感を感じるのは踊らされているようで嫌だ。

職場の大きな窓から見える貴族(華族?)のお庭では、ようやく紅葉が色づき始めたばかり。
それに11月には11月の味わい方があると思う。
というわけで、16年も前の大好きな11月の歌をYou-Tubeで探してしまった。

ガンズ&ローゼズの「November Rain」

11月の透明な空気感をかもし出す感動的な名曲。
4分すぎからのギターソロは圧巻。とろけそうになる!
う〜ん、年月が経ってもまじめに格好いい〜
反応してくれる人いないかなあ……。

◆Guns N' Roses - November Rain

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最前線と裏方

「あんまり署名見ないけど、記事書いてないの?」
最近、いろんな人から言われる。

新聞社にいて、最前線でずっと記事を書き続けられる人はほ〜んのわずか。
巡り合わせや運、タイミングもある。
秋から変わった(1年ぶりに戻った)職場では、署名記事を書く機会は減り、海外メディアのニュースのチェックのほか、年表作り、インタビューの原稿起こし、翻訳……などが主な仕事だ。

日本の新聞は、海外の新聞と違い、かなり緻密で、記録性や資料的価値も高い。
日常的に記事を補強、補充する仕事は結構あり、今日もあれこれやっているうちに1日が過ぎた。

大阪で勤務した3年前、夕刊の1面で、20回近く署名入りの連載記事を書く機会に恵まれた。
当時は、新聞が刷り上がるのが毎日楽しみだった。
と同時に、気づかされたのは「裏方」の大切さだ。
連載のタイトルや見出しをじっくり考える人、記事につける写真を念入りに選ぶ人、記事を何度も練り直すデスク……。
人の原稿のためになぜここまで真剣にやってくれるんだろう?
意外な気さえした。

冒頭の言葉を言われると、正直少しへこむけれど、しばらくはいい裏方を目指したい。
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立ちんぼ

冷たい夜の雨が続き、どうやら冬に突入しかけた感じ。
寒いので久々に銭湯に行き、「高麗人参」の湯でほっこりした。

それにしても、冬は嫌だ。
大阪で警察担当(へなちょこ)の記者だった6〜7年前を思い出す。
盆や正月以外の平日は2年間ほぼ毎日、朝も夜も刑事の家を回る日々。
「回る」といっても、ほとんどは外での「立ちんぼ」だ。
長い日は数時間ぼーっと路上で待ち続け、運よく会えたとしても、大半の刑事はほとんど人間らしい会話をしてくれない。最悪の場合は無視だ。
この世の中で、好きな男女同士でもないのに、これほど長い時間を割いてしつこく相手を待っている人種っているんだろうか?とも考えた。

夏はまだ気楽だけど、冬は地獄だった。
寒い朝はももひきを履き、夜はカイロを手に、缶コーヒーだけが友だち。
霞が関や永田町の政治記者の夜回りとは違い、他社の記者と一緒に相手を待つことはなく、ひたすら一人ぼっち……。

それでも、後輩の事件記者でつわものがいた。
彼は雪が降る日こそ、喜んで夜回りに行くと言う。
積もる雪を頭に乗せてひたすら待つ。それに相手が同情して心を許してくれる可能性がある、というのがその理由だ。
う〜ん、今考えても何とも浪花節の世界!
いい思い出のような気もするが、やっぱり寒いのは嫌だ。
2度と戻りたくはない。
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地味な“本流”

この前まで連日、真っ青だったのが、冬の真っ白な空に変わった。

朝のテレビ番組で、故筑紫哲也さんの特集をやっていた。
筑紫さんの功績は、メディアの最前線で「平和」をしつこく訴えたことだと思う。
8月15日の終戦だけでなく、東京の全国紙があまり重視していない6月23日の「沖縄慰霊の日」にもこだわり続けていた。

不思議なことだが、新聞もテレビも「平和」というテーマは、決してメインテーマにはならない。それを扱う記者も決して“本流”ではない。
新聞各社は、日々のネタとして要求される政治や経済、事件の最前線で、大きな記者クラブを担当し、何となく要領よくこなす記者がもっとも重用されるのが現実。(決して悪いことばかりではないけれど……)
一方、平和報道って、広島や沖縄の地元紙をのぞけば、決して「エース級」の記者は投入しないし、大きな賞を狙おうなんてまじめに考えている新聞社は少ない。

そんな現状の中、本流を歩んできた筑紫さんが、「平和」を正面から訴え続けてきた意味は大きい。
決して華やかなスポットライトを浴びなくても、地味な持ち場や地方支局でコツコツと大事なことを発信している記者はたくさんいる。
そうした記者にも勇気を与えてきたと思う。
あらためて合掌。

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遠い大陸

最も命が軽い大陸は、今もアフリカだ。
世界の関心が、米大統領選に集中する中で、コンゴ民主共和国での紛争が激化し、罪のない市民が殺されている。

勤務の当番に入った時は、少しでも注意してニュースを拾い、紙面に反映させようと小さな努力はしているものの、ほかのニュースとの兼ね合いもあり、なかなか大きな記事にはならない。
もどかしいけれど、少しずつ変えていくしかない。

BBCは連日、トップニュース級で伝えている。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/default.stm

  ×  ×

コンゴに関心が集まるのは、隣国ルワンダの悪夢が消えないからだ。
ルワンダでは、ツチ族とフツ族の争いで大虐殺が起こり、多くの犠牲が出た。
2本の映画「ホテル・ルワンダ」「ルワンダの涙」を見た時は、とてつもない衝撃と同時に「距離感」に気づいてしまった。
物理的に離れているという意味だけでなく、自分の知らない場所で知らないうちに惨劇が起きてしまったという、意識の上での距離だ。
これを少しでも縮めたいと思う。


そんなルワンダも紛争から立ち直り、復興の道を歩み始めている。
先日、大阪勤務時代の先輩社員から、ルワンダで義足支援にかかわる女性の話を教えてもらった。
今度、帰国する時にぜひ、つかまえて話を聞いてみたい。

http://onelove-project.info/index.html
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