むすぶ つなぐ

16年目の新聞記者。何とな〜く大事だと思うことを時に脱線しながら・・・

命の重さ

南アジアの最貧国、バングラデシュ。
その母子寮の今を追った毎日新聞の連載(社会面)が終わった。
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081204ddm041040026000c.html


日常の勤務で、海外から流れてくる外国通信社のニュースを見ていると、命の「重さ」が国や地域によって全く異なることがわかる。
1人亡くなっても大きなニュースになる国と、数百人亡くなっても小さな記事にしかならない国……。
災害や事件が多い最貧国には、ニュースを掘り下げる特派員が駐在していないという事情も加わる。

もどかしさは消えず、少しでも何とかできないかと考える。
けれど、日本との関係や事故や事件の特殊性、など多くのことを加味しないと、他のニュースを押しのけて記事化するのは、現実には難しい。

バングラデシュではサイクロンで多くの犠牲者が毎年出ているし、おそらくほかにも災害や事故、貧困で死ぬ人は、国連などが発表する単なる「数字」でしか現れてこない。
連載では、そんなバングラデシュで、希望を見出そうとする若者を、「数字」の一部ではなく、多くの人生を凝縮した1人の人間として追っている。


本当に思いが伝わる記事は、フラフラと日々揺れている自分の背骨を立て直してくれる。(そう簡単にはいかないけれど……。)
goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

先はまだまだ

子爆弾が不発となって残り、子どもたちを傷つけるクラスター爆弾。
その禁止条約の署名が3日、ノルウェー・オスロで行われた。

http://mainichi.jp/select/today/news/20081204k0000m030095000c.html

米国、ロシア、中国など「軍事大国」は不参加。
日本は今年5月、米国の顔色をうかがいながらも、欧州の流れに押され、半ば嫌々ながら賛成に傾いた。
一連の動きをウォッチしていて、感じるのは日本の「哲学」のなさだ。

多くの国のケツを追いかけ、地味〜に賛成するなら、「平和を志向する国」を掲げ、なぜ最初から手を上げないのか……。
「米国一極主義」が崩壊しつつある今、米国にばかり気がねしてモジモジしているより、その方が外交的にもきっと大きな得点になるはず。
条約が署名を迎え、日本でも「第2の地雷」が廃止されるのは喜ばしいことだけど、これまでの消極的な経過を見ていると、なんだか複雑……。

劣化ウラン弾、そして核兵器……。
日本の役割ってまだまだたくさんある。
当然、メディアの役割ももっとあると思う。

 ×   ×

現場は東京にはないけれど、少しだけ絡む仕事ができた。
やりたいことって限りない。
まだまだ先が見えない……。

goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

背伸び

12月に入り、気温がぐっと下がり、なんだか日増しに空気の透明感が高まってくる感じ。
この時期にぴったりの音楽は、僕にとっては、文句なくビリー・ジョエルだ。

2年前の今ごろ、来日コンサートへ。
透き通った声、美しいメロディーラインの健在ぶりに涙!
密度の濃い「夢」のような時間だった。


中学生のころ、ビリー・ジョエルは、マイケル・ジャクソンなどと並んで、「背伸び」の象徴だった。
当時、英語の歌詞もろくにわからんくせに、みんな競ってレコードジャケットを抱えて格好つけていた。
「軽薄なアイドルなんて関心ないぜ」と大人ぶっていたんだろう。
今考えると笑えてしまう。


背伸びって大切なことだと思う。
ビリー・ジョエルを聞くと、そんな時期を思い出して、新しいことをやろうかなとふと考える。

  ×   ×

「Piano man」や「Just the way you are」ほど有名じゃないけれど、バラードとロックを同時に味わえる名曲。出だしのピアノが、グッときてしまう。

◆Billy Joel Miami 2017 (Iv'e seen the lights go down on Broadway)



goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

異端視

しばし、趣味的な話……。
ロックバンド「ラウドネス」のドラマー、樋口宗孝さんが亡くなった。
スポーツ紙などはもちろん、全国紙の朝刊でも地味〜に伝えている。

http://sports.nifty.com/cs/headline/details/et-fj-320081201002/1.htm

ラウドネスは、「音楽界の野茂」のような存在だった。
日本の歌謡界が、アイドル全盛期から軽〜いJ‐POP時代に移行するころ、米国の音楽界に殴りこみをかけ、ロックでは初めてビルボード・チャートにランクインしたバンドだ。
中高生のころ、FM誌(FMステーションやレコパル。ああ、懐かしい……)で、米国チャートを見て、「すげえなあ……」と感じたのを覚えている。
当時まで、日本の歌が米国でランクインした例は、坂本九さんの「上を向いて歩こう」くらい。松田聖子もピンクレディーもみんな挫折している。


当時、日本のマスコミは、ハードロック系のバンドをみんな一括して「ヘビメタ」と呼んでいた。
奇抜な格好をして絶叫、爆音を出す奇異な人たち……と決めつけて、多くの人は近寄らない。
よっぽどのことがない限り女性にも受けない(笑)
だからこそ、数少ないハードロック好きな仲間はすぐに仲良くなる。

  ×   ×

次元は違うけれど、見かけや外形的な事実だけでイメージを固定化するのは今も嫌いだ。日常の仕事でもそう。
「イスラム原理主義のテロリスト」「片言を話す外国人……」「精神病院への通院歴が……」
多数派から切り離して、排除するところから不幸は始まる。
音楽とも通じる。考えすぎか……。

goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

チャンスは……

「チャンスはピンチの顔をしてやってくる……」
最近、本屋でよく平積みしてある新書のキャッチフレーズだ。
よくある経営者の「立身出世本」の類と思いきや、気合と情熱が随所にこもっていて、なるほど……とうなづく部分も。

この数日、しょうもないクレームのメールが何通が届き、うんざりしていたところ、意外な展開を見せて、大きく記事が書けるチャンスが回ってきた。
内勤職場で「現場」のない今の自分にとっては貴重だ。

日々の仕事は相変わらず、地味〜な感じだけれど、いろんなところに顔を突っ込むように心がけるのは大事だなあ、と改めて痛感……。

  ×   ×

夜勤を終えて未明に帰宅すると、来年のカレンダーが郵便受けに。
嗚呼、師走に突入……。
goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

かみしめる

結局、日付が変わるまで、会社で過ごしてしまった。
ま、そんな週末の誕生日がたまにはあってもいいか……。
自分の関心のあるテーマで勉強ができて、原稿が書ける「幸せ」!
それだけでもかみしめないといけない。


昼間は、中高年のおばさまに交じり、英語のヒアリング教室へ。
中には福島県から都心まで通っている人も。
いつもながら、おばさまたちの熱心さには圧倒される。
ビジネスマンとは違い、目先の目的ではなく、勉強自体の楽しさをかみしめているのが伝わってくる。

  ×   ×

夜中に帰宅すると、全盲ろうの東大教授、福島智さんが母校を訪ねるNHK番組「ようこそ先輩」が流れていた。
3歳で右目、9歳で左目の視力を失い、18歳で聴力を失う絶望……。
「苦難にも意味があるんだと思い込むようにした。自分の人生にとっての意味が」

「どん底」を味わいながらも、指点字でコミュニケーションを覚える。
そして大学進学、結婚、研究者の道へ……。
常にパイオニアとして突き進み、今年10月に東大教授になった。

「人生の中で一番よかったことは?」
小学生の質問に大学教授の福島さんはこう答える。
「生きているということだけで、人生の80%か90%は成功なんです」

シンプルに紡ぎ出す言葉が重い。
人生をかみしめる「偉人」だ。

◆福島智研究室
http://bfr.jp/

◆「情熱大陸」
http://www.mbs.jp/jyonetsu/2005/20050327/goroku.html

goo | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )