仙台駅前再開発 西武百貨店が撤退 計画暗礁に

 仙台市のJR仙台駅西口で商業ビルなどを建設する「駅前中央南地区再開発構想」で、西武百貨店(東京)が、地権者6法人でつくる「中央南地区まちづくり協議会」からの脱退をほかの法人に伝えていたことが15日、分かった。計画していた商業ビルへの百貨店の出店も見送る。2015年度の地下鉄東西線開業に合わせ進めていた仙台駅前の一大プロジェクトは暗礁に乗り上げそうだ。

 景気の後退による業績悪化などが脱退の理由とみられる。西武百貨店の山下国夫社長らが各法人に方針を伝えており、16日に開かれる協議会の会合で正式に説明する。

 再開発予定地の面積は約1万5600平方メートル。協議会は、西武百貨店の出店を前提として12階の商業ビルと、35階のオフィスビル建設を計画。早ければ09年1月にも、準備組合を発足させる予定だった。西武百貨店の所有面積は約1800平方メートル。

 主力テナントの脱退を受け、協議会は新たな出店企業探しや、再開発計画の見直しを迫られる見通し。

 中央南地区をめぐっては、地権者7法人による一体開発を計画していたが、北東角地の不動産会社が07年2月、西武百貨店とのあつれきから協議会を離脱した。さらに、仙台市の梅原克彦市長が一体開発以外は認めないことを地権者に説明し、協議が中断しかけた。

 6法人は、市が一体開発の断念を決めた今年3月ごろから再び協議を本格化。建物周辺へのペデストリアンデッキの設置など都市貢献事業を盛り込み、仙台市も容積率の大幅な緩和を検討していた。

 西武百貨店は1991年と96年、2001年に中央南地区への出店を計画したが、いずれも実現していない。

 協議会の脱退と出店見送りについて、西武百貨店を運営するミレニアムリテイリング(東京)広報は「窓口は中央南地区まちづくり協議会に一本化している」と話している。
2008年12月16日火曜日

宮城

経済



河北新報携帯サイト

QRコード

東北のニュースが携帯でも読める。楽天・東北のスポーツ情報も満載。

≫詳しくはこちら

http://jyoho.kahoku.co.jp/mb/