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困った会社見本市

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女性社員との冴えた付き合い方について

2008 / 12 / 16

 偉そうなタイトルを掲げておきながら最初に書いてしまうが、実は私も女性の社員をどう扱っていいのか分からない。
 このところ家では女房に尻に敷かれ、会社では女性幹部に仕事を牛耳られていて、一番稼いでいるのは私であるにもかかわらず、どことなく居心地が悪く肩身も狭い。

 大体なぜ私は命令されているのだろう。社会的な立場は経営者であるところの私の方が上であるのに、人間的な関係では私は人権を認められていない気がする。働いて成果を出している、というよりは、馬車馬のように追い立てられている感じだ。
 ともあれ、家庭であれ、会社であれ、組織を合理的に動かすためには、優れた女性を積極的に登用したほうがよいと思う。

 会社で働いている女性たちが仕事志向であっても、あるいは結婚したら退職したいと考えていたとしても、「頑張れば上がある」とか「女性でも男性と変わりなく認めてもらえる」と思ってもらえたほうが、間違いなく生産性は上がるからだ。

 ただ、何というか、これは経験則的なものなのだが、男性社員にはない付き合い方が必要だと肌身で感じている。例えば男性と違って、女性は幹部にしろ、一般社員にしろ、職階の上下にかかわらず、同じように扱わなければ必ず文句が出る。年齢にかかわらず、なるべく平等に扱ってやったほうが座りが良い。
 逆もしかりで、女性に対しては、なるだけ同じように扱われてあげることが、一つのマネジメントではないかと思う。

 そうすると、気の強い女性社員は容赦なく仕事を投げてくる。遅れると催促が来るし、休日でも平然と電話をかけてくる。
 こんなときに、頼まれた仕事をたまたま後回しにして、ほかの女性から頼まれた仕事を先にこなしたりすると、いつのまにか女性同士がトラブルになっていたりする。
 重要な仕事からこなしているだけなのだが、どうもそう受け取られていないようだ。頼まれたら頼まれた順番でこなさないと不公平なのであって、そこに理屈はあまりない。

 声をかける順番もむつかしい。男性社員なら階級順に声をかければいいのだが、女性の場合は階級よりも入社順の方が重要に感じるようだ。

 組織の中に女性が増えてくると、女性のキーマンには2種類あるのではないか、と思ったりする。一つは仕事のできる女性幹部、もう一つが人間関係の要となる女性社員である。お局(つぼね)と言われたりする古参社員のことである。

 観察していると、女性の間では、仕事のできる女性はなぜか入社年度が古い先輩社員を「立てる」傾向がある。そしてどうも、お局社員の行動様式は全女性社員に影響しているようだ。だから、こちらが女性社員を平等に扱い、扱われようという際には、まずお局に「どう平等に扱うか」を聞かねばならない。

 これでまず大きな問題には発展しない。だが結果として、私は社長なのに全女性社員から平等に尻に敷かれている。なぜ、私が買ってきた出張土産をお局が奪って、全女性社員に配布しているのだろう。何か腑に落ちない。
 もっと冴えたやり方を知っていたら、どうしたらいいのか教えてほしい。

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プロフィール

山本 一郎 やまもと いちろう

イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役。父親が抱えた負債を返済するため学生時代から株の個人投資を始め、ゲーム制作や投資事業などを手掛ける会社を起業。ブログなどで経済・時事問題に関する批評を展開し、インターネットでは「切込隊長」と呼ばれるカリスマ的存在。著書に『ニッポン経営者列伝 嗚呼、香ばしき人々』(扶桑社)、『けなす技術』(ソフトバンククリエイティブ)など。


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