市岐阜商移管問題は、出直し岐阜市長選に発展した。議会の結論に、行政トップが異を唱えて選挙という構図は、3年前の「郵政選挙」を思い出す。ただ、郵政選挙では、「造反派VS刺客」にばかり光が当たり、まともな政策論争があったろうか。そんなことを思い出した。
岐阜の今回の問題には、「少子化時代、大学進学率も高まる中、地場産業が衰えた街で、市が職業科高校を現状のまま運営していてよいのか」との立場と、「在校生やOBの感情にも反するのに、学費が高い私立高校への転換を、市が推進して良いのか」との立場との「根源的対立」があるように感じる。また、私立高校の設置は、市長選や市議会だけでは決着せず、審議会を経て県知事の認可が必要なことも、重要な点ではないか。
私たちは論点を整理し、様々な意見を紙面に掲載することで、「全国紙としての使命」を果たしたいと思っている。【松田真】
毎日新聞 2008年12月16日 地方版