同時に少しでも多くの市井の人たちに「本質はこうだ」と、ひとりのジャーナリストとして、正しい情報や、違ったものの見方、考え方を伝えたいという気持ちが仕事に対する非常に強いモチベーションになっています。基本的に世のため、人のために仕事をしたいと思っていますから。
中山千夏、小室等、永六輔といっしょにやっている『学校ごっこ』もその一環です。「国家権力の視点ではなく、人権すなわち個々人の視点を大切に歴史を学ぼう」というコンセプトで運営しています。以前から世の中に哲学がなくなってしまったと感じていたから、それを知るフリーな場所になったらいいと思ったんです。
哲学といっても実存主義や根本原理をテキストに沿って学ぶのではなく、生きていくのに大切な感情や情緒、信念って何なんだろうと過去の歴史をひも解いて考えることなんですよ。人々を支配したり人々から搾取しようとする人は昔からいるけれど、そういった動きを監視するジャーナリズムがあれば多くの人が国の動き、ひいては自分の人生を真剣に考えるキッカケにもなるでしょ。
僕は「歴史から考えるジャーナリズム」講座の中で、本当のジャーナリズムとは何か、その歴史を学び、語り継ぎ、その上に自分達で歴史を作っていく、ということを教えています。これは、マスコミが垂れ流すウソに騙されない正しい判断力、思考力を養う上でも有効だと思っています。
|