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【三重】志摩病院、来春に内科医半減 外来診療は完全紹介制に2008年12月16日 志摩市阿児町鵜方の県立志摩病院で、内科・循環器科の医師が来年四月に現在の十一人から五、六人に半減し、外来診療は完全紹介制に変わる見通しとなった。地元の住民や首長から地域の医療態勢に不安の声が挙がっている。 同病院によると、本年度初めに医師は十二人いたが、一人が出産で既に休業。来年四月から一人が志摩市内で開業し、四、五人が県内の別の公立や民間の病院へ異動を希望している。野村浩・運営調整部長は「異動希望は若手医師がキャリアを積みたいため。残ってもらえるよう努力する」と話している。 医師の半減で内科・循環器科の外来診療は、かかりつけ医の紹介状がないと受診できない完全紹介制に変える。既に全受診者に文書を郵送。一般の開業医を紹介して、まずそこで受診するよう勧めている。入院は医師の人数に合わせて病床数を減らす。当直医師が一人体制だった救急は、医師会や消防と相談中だが継続できるかどうか不透明という。 「志摩小児医療を考える会」の山下美恵会長は「医師不足はどこでもある話だが、ここまで急に減るとは。志摩の医療全体をみんなで考えていかないと」と危機感をあらわにした。大口秀和志摩市長は「詳しい説明を受けていないが、何とかあるべき姿にしてほしい」と、県に医師確保を陳情する構えだ。 四月から九月まで、志摩病院の内科・循環器科は一日当たり外来患者二百十四人、入院患者百八人。救急は累計で二千三百人近くを受け入れてきた。 (飯田竜司、大島康介)
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