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【長野】

岡谷塩嶺病院の結核病床を廃止へ 県が集約化の意向

2008年12月16日

 岡谷市は、健康保険岡谷塩嶺病院の結核病床を本年度いっぱいで廃止する方針を、十五日の市議会社会委員会と全員協議会で明らかにした。入院患者の減少や県の医療体制の見直しが理由という。廃止されれば、県内で結核病床を持つ病院は県立須坂病院(須坂市)と国立病院機構まつもと医療センター(中信松本病院、松本市)の二カ所になる。

 市によると、岡谷塩嶺病院の病床数は六十。一日あたりの平均入院患者数は二〇〇五年度の一八・三人から減り続け、本年度は十月末までで一一・六人という。新規登録患者数も減り続ける傾向で、昨年度は県内で二百二十五人、全国で二万五千三百十一人だった。

 市側は、今年七月から県と三病院が集まって会議を開き、集約化を検討したと経緯を説明。岡谷塩嶺病院で結核病床の赤字が昨年度決算で出ていること、結核は国や県の医療機関が担うべき病気であることなどを理由に「(集約という)県の考え方に基づき(廃止という)市の考え方を出した」とした。

 本年度から始まった五カ年計画「第五次県保健医療計画」では八十七床が必要とされたのに対し、県内では百三十四床と余っている現状。岡谷塩嶺病院を廃止しても、患者数減もあり、必要分はまかなえるという。

 県は須坂病院を東北信、中信松本病院を中南信の拠点にする考えという。市は結核病床が廃止されても、岡谷塩嶺病院の結核病床の医師二人、看護師十三人の削減はしない方針。

 委員会では一部の市議からは「話が突然すぎる」などと反発が出た。今後は市側が三月議会に条例の改正案を提出する予定。

 岡谷塩嶺病院は国の結核療養所として一九五三(昭和二十八)年に開設。本年度には、より高度な医療を提供するための「循環器・呼吸器センター」を設置している。

 (白名正和)

 

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