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年長フリーター、就職支援 35歳超…高齢化深刻 派遣会社が「仕事学校」 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:就職・転職
■「仕事大学校」校長 元連合会長・鷲尾悦也氏に聞く
技能身につける機会を
パソナ仕事大学校の校長を平成18年から務める鷲尾悦也・元連合会長(70)に事業の意義を聞いた。
−−正社員中心の労組の元トップが非正社員のキャリアアップのための校長を務める理由は
「私が連合会長を退いた平成13年ごろから、雇用の流動性が高まり職業選択が多様化した。だが、非正規雇用は正規に対する否定語で前向きではない。むろん企業が賃金を抑えるため非正規雇用に頼ることも多いが、たとえばワークシェアリングが進んだオランダモデルのような多様な働き方があってもよいのではないか」
−−非正規雇用が労働者の3分の1を占め、格差の拡大で日本社会が疲弊したとの指摘がある
「問題は、個々人が技能を身につける機会がないことだ。現在の大学は基礎教育なのか職業教育なのかはっきりせず、学生は技能を身につけないまま社会にほうり出される。苛烈(かれつ)なコスト競争をしている企業は、自ら技能を持ち、売り込んでくる人材を求めている。技能のない人を雇えというのは無理な話だ」
−−仕事大学校の役割は
「連合の幹部の中には、私がパソナで校長をやっていることにいい顔をしない人もいる。派遣業界の現状を知らないからだ。実践的な教育・研修を行う本校が貢献できる面は小さくない」
■年長フリーター 国の定義でフリーターは15〜34歳。うち25歳以上を年長フリーターと呼び、昨年は全国で92万人と24歳以下(89万人)を初めて上回った。年長フリーターは35歳を超えると国の定義から外れ「不安定就労者」と呼ばれる。政府の経済対策は「年長フリーター等」として対象を39歳まで拡大した。