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年長フリーター、就職支援 35歳超…高齢化深刻 派遣会社が「仕事学校」 (1/3ページ)
バブル崩壊後の就職氷河期に正社員として就職できなかった「年長フリーター」の高齢化が社会問題化している。政府が10月末に発表した追加経済対策は、年長フリーターを正社員として雇用した企業への助成金支給を打ち出した。民間でも今月、丸3年を迎えたフリーターの就職を支援する「学校」が年長フリーターの支援に力を入れている。
人材派遣大手「パソナ」は平成17年11月、東京都内でフリーター向け教育・研修事業「仕事大学校」を開校した。研修生は2カ月の基礎研修後、同社が紹介する派遣先企業で原則1年の実務研修を受ける。実務研修中は給与が支給され、授業料9万4500円はその期間中に分割払いできる仕組みだ。
10月28日に11期生10人が入校した。24〜32歳の男性8人、女性2人。うち8人が大卒だが、正社員の経験があるのは2人。残りはアルバイトなど非正規雇用で働いてきた。
30代は3人おり、埼玉県川越市の男性(31)は氷河期まっただ中の13年に都内の私大外国語学部を卒業した。コンビニエンスストアでアルバイトしながら公務員を目指したが、挫折。「最近、ワーキングプアとか言われて焦りというか、今の状況を変えたいと思った」。研修では「アルバイト生活では身につけられなかった礼儀などを基礎から学びたい」という。
3年間で約170人が受講。これまでに卒業した7期生までの約130人の進路をみると、3割が実務研修など同社から派遣された企業でそのまま雇用された。3割は自分で就職活動した企業で雇用され、2割は派遣社員、残り2割は求職中という。
開校当初は20〜29歳までのフリーターらが対象だったが、現在は「30代前半程度」に拡大した。パソナの山本絹子専務(53)は「フリーターは年々、高齢化している。就職氷河期世代が就職できず、基礎的な技能を積めなかったためで、特に35歳を過ぎた人が深刻だ」と話す。