仙台・東北厚生年金病院 小児科を休止 再開は未定
男性医師は17日で退職する。1日約20人の外来患者が受診していて、医師がほかの病院への紹介状を書いて対応している。 小児科には以前、常勤医が3人いた。だが、医師不足対策として東北大病院や国立仙台医療センターなどの中核病院に医師を集約する厚生労働省の方針で、3人とも2007年9月までに同センターなどに移った。 厚生年金病院は同年10月、現在の医師を雇ったが、1人態勢が続き、入院病棟を閉鎖、外来診療に限って運営してきた。 病院は常勤医が3人だった06年に夜間応急診療を行う小児科の「地域連携こども急病外来」を開設。1日1200人の子どもが受診していたが、07年9月に急病外来を廃止した。 宮城野区高砂地区町内会連合会の片桐睦男会長(75)は「13歳の孫がずっと受診していた。高度医療の小児科がなくなり、地元住民は不安がっている」と話す。 5歳の長男が受診している宮城野区の主婦(25)は「都市部の仙台の病院にも医師不足の影響が出たとは」と驚く。小さな子どものいる宮城野区の会社員女性(33)も「ほかの病院を紹介されたが、家から遠くて待ち時間も長い。地域医療を支える病院として存続してほしい」と訴える。 病院は新しい常勤医が見つかれば再開する考えだが、具体的な見通しはついていない。「がん診療連携拠点病院として小児科は存続させたいので、医師確保に全力を挙げる」と話している。 [東北厚生年金病院]ベッド486床。21診療科があり、臨床研修指定病院、地域医療支援病院に指定されている。社会保険庁の委任を受けた社団法人全国社会保険協会連合会が1946年、青葉区に開き、82年に現在地に移転した。2010年に社保庁が廃止されるのに伴い、今年10月、管理権が独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構に移った。
2008年12月16日火曜日
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