世界のサブプライム関連損失、1兆ドル超える可能性=ソロス氏
[ニューヨーク 9日 ロイター] 著名投資家ジョージ・ソロス氏は9日、世界のサブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン) 関連損失が1兆ドルを超えるとの見通しを示し、大恐慌以来最も深刻な状況との認識を示した。
自身の最新の著書「The New Paradigm for Financial Markets: The Credit Crisis of 2008 and What It Means」に関する電話会議で明らかにした。
国際通貨基金(IMF)は、8日発表した世界金融安定報告で、世界の金融機関のサブプライム関連損失が1兆ドル近くになるとの推計を示した。これについて、ソロス氏は米国を始め、住宅価格が圧迫され続けている国があるとして「適正な見込みだと思うが、さらに増える可能性がある」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)が流動性供給策を打ち出したことや、資金難に陥ったベアー・スターンズBSC.NをJPモルガン・チェース(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)が救済買収に動いたことから、米銀行システムは危機を乗り越えたとみている。
世界の金融市場では、急激なレバレッジ外しが進んでおり、そのため不安定な状況が続いていると指摘した。
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