原油高騰の背景にバブル、価格暴落の危険性は差し迫っていない=ソロス氏

2008年 06月 4日 19:09 JST
 
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 [ワシントン 3日 ロイター] 著名投資家のジョージ・ソロス氏は3日上院商業委員会で証言し、原油価格の空前の高騰の背景にはバブルの可能性があるが、価格暴落の危険性は差し迫っていないと述べた。

 ソロス氏は「現在(米国)住宅市場におけるバブル崩壊が進行中で、時を同じくして、原油価格とその他の商品価格がバブル的な要素を持って上昇している。しかし明確にしておきたいのは、原油市場における価格暴落の危険性は差し迫っていないということだ」と述べた。

 米国議会では、原油先物が1バレル=135ドルを上回る水準まで高騰した背景には、投機的な取引による相場操縦があるとみる民主党議員を中心とする議員らの主導で、原油市場における投機的な取引を取り締まる法律の立案が検討されている。

 ソロス氏は、商品先物取引は「依然としてバブルを助長させている」としながらも、現在の原油価格は実需に基づく水準にあると述べ、原油価格高騰はリセッション(景気後退)の可能性を高めるが、そうした経済成長の鈍化のみが、原油価格を押し上げている要因を相殺することができると述べた。

 同氏は、機関投資家による商品先物買いの戦略は「知的見地からすると不健全で、潜在的に経済の不安定要因となる有害なものだ」と批判した。

 また、商品先物取引における委託保証金が引き上げられても、こうした機関投資家は現金で決済するため影響を受けないのが実情だとしながらも、委託保証金を引き上げることによって投機的な取引を抑制できるため、そうした手段は「正当化されよう」と述べた。

 
 
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